2023年1月中旬〜下旬〜2月上旬
厳冬期に雪深い里山のスギ林道に通うニホンカモシカ(Capricornis crispus)の記録をまとめました。
シーン1:1/19・午前3:21・気温-4℃・(@0:00〜)
未明に左から現れたカモシカが林道を横切り、カメラの方へ近づいてきます。
画面手前の死角で立ち止まると、何かを擦り付ける物音が聞こえます。(@0:17〜)
※ 冒頭だけ動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
どうやら、カメラを固定したスギの幹にニホンカモシカが顔を擦り付けて眼下腺マーキングしてるようです。
(カモシカが死角に消えた間は5倍速の早回し。)
しばらくすると、画面の下端から再登場したカモシカが林道を右へゆっくり立ち去りました。
ちなみに、タヌキが持ってきた黒いビニールテープが林道の凍った雪面に残されたままです。
この辺りを縄張りとする複数個体のカモシカがこれまで代わる代わるマーキングしていた道端のスギ落枝が雪の下に完全に埋もれてしまったので、林道を挟んでちょうど反対側に立つスギの幹に眼下腺マーキングする対象物を変更したのです。
ヒトの登山者が雪山で埋もれた道標を掘り出すように、お気に入りのマーキング用スギ落枝をカモシカが雪の下から掘り出したら面白いのですが、そこまで執着せずに臨機応変に対応しました。
1頭が新たな場所に眼下腺マーキングするようになれば、次に来た個体も匂いで気づき、それに対抗して自分もそこに眼下腺マーキングするようになるのでしょう。
シーン2:1/21・午後12:39・気温-3℃・(@0:44〜)
2日後の明るい昼過ぎにカモシカが再登場。
大雪が積もった後で、林道上に放置された黒いビニールテープは完全に埋もれて見えなくなりました。
左下手前の死角でスギの幹に眼下腺からの分泌物を擦り付けてマーキングしてる物音♪がかすかに聞こえます。(@0:48〜)
足跡を見るとカモシカは右から登場したはずなのに、カメラの起動が遅れています。
気温が氷点下のせいで電池の電圧が低下している上に、カモシカ毛皮の断熱性が高くてセンサーが体温を検知できなかったのでしょうか?
シーン3:2/2・午前3:37・気温-3℃・(@0:56〜)
12日後の未明にまたカモシカが現れました。
雪が降りしきる中、奥の斜面を登ってきたカモシカが林道を渡って手前へ来ました。
新雪に残るカモシカの足跡は、それほど深くありません。
積雪量が増すと、トレイルカメラの位置が林道の雪面に対して相対的に低くなります。
カモシカはトレイルカメラの匂いを嗅ぐと、いつものようにスギの幹にゴリゴリ♪と眼下腺マーキング。
カメラに近過ぎですけど、なかなか迫力のある映像が撮れました。
カメラでゴリゴリと角研ぎされたら大変ですが、壊されずに済んでよかったです。
シーン4:2/5・午前6:43・気温-4℃・(@1:34〜)
3日後、日の出直後の明るい早朝にカモシカが前回と同じルートで登場。
(日の出時刻は午前6:37:46。)
今回もトレイルカメラに興味を示しました。
顔のアップで見ると、カモシカの睫毛が長いことが分かります。
カメラに鼻息を吹きかけた際に、口内の下顎の白い歯が一瞬見えました。
今回はスギの幹に顔を擦り付ける物音がしなかったので、匂いを嗅いだだけで眼下腺マーキングしなかった様子。
林道を左に立ち去ったのではなく、どうやら法面を登って行ったようです。
雪道にカモシカの蹄跡が残りました。
後日、逆方向から杉の木を狙うようにトレイルカメラの設置場所を変更し、カモシカの眼下腺マーキング行動をしっかり撮影できるようになりました。(映像公開予定)
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