2022年10月上旬・午後15:50頃・晴れ
川岸に自生するニセアカシア(別名ハリエンジュ)灌木の枝先をスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が忙しなく飛び回っていました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:08〜)、スズバチ♀は食痕(虫食い穴)のあるニセアカシア小葉や熟した豆果を次々と調べていることが分かりました。
ホバリング(停空飛翔)で狙いを定めてからぶつかるようにアタックしたり、着陸して触角で念入りに調べています。
どうやら泥巣に貯食する獲物(蛾の幼虫)を探索する探餌飛翔のようです。
雄蜂♂の探雌飛翔ではありませんでした。
ニセアカシアに巻き付いて育った蔓植物のツルウメモドキの果実が黄色から赤く色づき始めています。
探餌飛翔するスズバチ♀は、ツルウメモドキには全く興味を示しませんでした。
背後にジョロウグモ♀(Nephila clavata)が枝間に張り巡らせた円網が見えますが、スズバチ♀は気にせず飛び回っています。
磐田久二雄『日本蜂類生態図鑑:生活行動で分類した有剣蜂』を紐解いてスズバチが狩る獲物について調べると、
スズバチは体長2.5〜3.5cmのフトスジエダシャク(の幼虫:しぐま註)を3〜8頭貯える。(p37より引用)とあります。
しかし、フトスジエダシャクの食樹はセンダン(のみ?)とされています。
センダンは温暖な西日本にしか分布しませんから、当地(北日本)では見たことがありません。
フトスジエダシャク成虫も私は未見です。
したがって、今回観察したニセアカシア樹上にフトスジエダシャク幼虫は居なさそうです。
一方、最近の資料(例えば『狩蜂生態図鑑』p89)によると、スズバチの獲物は「シャクガの幼虫(尺取虫:しぐま註)」と一般化されていました。
狩蜂が貯食する獲物を正確に同定するのは困難です。
狩りの際に麻酔されてしまうので、救出しても飼育下で成虫が羽化しないからです。
0 件のコメント:
コメントを投稿