2022年9月上旬・午後12:20頃・くもり
里山の林道の真ん中が謎の白い塊に覆われ、通りかかるたびに気になっていました。
遠目にはまるで酔っ払いの吐瀉物のようです。
林床の落葉や落枝などを分解する菌糸の塊なのでしょうか?
白カビとも違います。(フワフワしていない)
松ぼっくり(アカマツの落果)にも白い菌糸が侵食していました。
アニメで見る腐海のような光景です。
クリーム色の菌糸塊?の真ん中に1匹のセンチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)が居座り、それを食べてしました。
センチコガネは糞虫の仲間ですけど、キノコも好物であることが知られています。
ということは、キノコ(子実体)になる前の幼菌なのかな?
関連記事(12年前の撮影)▶ キノコ好きなセンチコガネ森昭彦『ファーブルが観た夢 地球生命の不思議な迷宮』という本を読み返すと、第4章はセンチコガネを扱っています。
キノコ(子実体)も食べるが、菌糸も好きらしいのだ。実際、自然界でも、枯れ葉がつもる森の土に、白い菌糸がびっしりとはびこることがある。センチコガネは、ここに飛来して、うまそうに食べていた。(p222より引用)
しかし残念ながら写真が添付されていないので、「白い菌糸」の様子を想像するしかありません。
望遠マクロで顔正面から狙うと、頭楯の縁が丸みを帯びているので、オオセンチコガネではなくセンチコガネと分かります。鞘翅は鈍い藍色の金属光沢を帯びていました。
大顎を開閉して白い菌糸を齧っています。
食べかけの菌糸が頭部に少量付着していました。
途中から飛来したハエは何でしょう?
翅の根元がオレンジ色を帯び、脚も黄色っぽいです。
素人目にはキアシフンバエと似ているような、似てないような?
菌糸塊の表面を舐めながら、果敢にもセンチコガネの横から近づき、腹の下に潜り込みました。
ショウジョウバエのような小型のハエも数匹集まり、菌糸塊を舐めていました。
センチコガネはハエ類の存在には無頓着でした。
同じ場所に陣取ってひたすら食べ続けています。
一生食べきれない量のご馳走です。
センチコガネが菌糸塊を食べ進む様子を微速度撮影で長撮りしてみたかったのですが、あいにくこの日は三脚を持ってきていませんでした。
もし粘菌だとすると、菌糸塊?全体が脈動していたかもしれません。
撮影後に被写体のセンチコガネを採集しました。
標本写真を後で載せます。
性別は?
その後も定点観察に通ったのですが、センチコガネ類は二度と来ていませんでした。 (二匹目のドジョウは採れず)
このクリーム色の菌糸塊はやがて消失しました。
秋が深まるとキノコの子実体(成菌)が育つかと期待したのですけど、跡地には何も生えてきませんでした。
毎日チェックした訳ではないので、私が来ない日に、あっという間にキノコの子実体が生えてすぐに消えたのかもしれません。
もしかするとキノコではなく、粘菌の一種なのでしょうか?
「白い粘菌」で画像検索するとシロススホコリなどがヒットしますが、素人目にはいまいちしっくり来ません。
謎の菌糸塊?の正体をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。
周囲の環境は雑木林の低山(里山)です。
東北地方日本海側の多雪地帯で、ブナ帯よりも標高が低いミズナラ帯に属します。
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