2022年8月下旬
里山の林道に残されたタヌキとアナグマの溜め糞場sをトレイルカメラで見張っていると、監視映像にときどき糞虫の活動が記録されています。
本来、変温動物の糞虫がいくら動き回ってもカメラのセンサーは反応しないはずです。
たまたま恒温動物(哺乳類と鳥類)が通りかかったときに、糞虫が写り込んでいるときがあるのです。
引きの絵では糞虫の動きが遅過ぎて分かりにくいので、5倍速の早回し映像に加工しました。
シーン1:8/22・午後23:45・気温22℃
自動撮影カメラが何に反応して起動したのか不明です。
別アングルのトレイルカメラをチェックすると、この時刻にカモシカが写っていたのですが、こちらのカメラの死角を通ったようです。
赤丸で囲った画面の中央に注目して下さい。
スギの落葉が敷き詰められた林道上を、黒っぽい糞虫(種名不詳:センチコガネの仲間か?)がアナグマの溜め糞に向かって歩いています。
辿り着く前に、トレイルカメラの録画タイマーが切れてしまいました。
シーン2:8/23・午後19:45頃・気温25℃ (@0:14〜)
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の顔黒個体が登場し、溜め糞場sをうろついてから帰りました。
赤丸で囲ったホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞の上を黒っぽい糞虫(種名不詳:センチコガネの仲間か?)が活発に動き回っています。
関連記事(等倍速の映像はこちら)▶ 同じ日に溜め糞場を別々に訪れる2頭のニホンアナグマ(顔白、顔黒)【トレイルカメラ:暗視映像】
後半(@0:36〜)になると、左から別の黒い甲虫がタヌキの溜め糞に向かって歩いて来ました。
辿り着く前に尻切れトンボに終わったのは残念でした。
糞虫は餌から発する糞便臭に誘引されてまっしぐらに集まってくるようです。
暗闇ですから、視覚頼りではなく触角の嗅覚による化学走性と思われます。
いつも歩いて溜め糞に向かっています。
本に書いてあるような、糞虫が飛来するシーンはなぜか一度も見たことがありません。
関連記事(1月前の撮影)▶ アナグマとタヌキの溜め糞に向かって歩く夜行性の糞虫【トレイルカメラ:暗視映像:5倍速】
溜め糞に集まる糞虫を狙って捕食する動物や野鳥がいるのではないかと予想しているのですけど、決定的な捕食シーンの証拠映像がなかなか撮れません。
【追記】
中村圭一『たくましくて美しい 糞虫図鑑』を読んで知ったのですが、たとえばゴホンダイコクコガネという糞虫は夜行性なのだそうです。
私は未だ見つけたことがありません。
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