2022年8月下旬・午前11:30〜午後12:15頃・くもり・気温25℃
里山のスギ林を抜ける林道にホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場sがあります。
糞の鮮度は古くなっていたものの、この日は多数の糞虫類が集まっていました。
まず目につくのは、赤紫のメタリックカラーに輝くオオセンチコガネ(Phelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)です。
その体表を白っぽいダニが徘徊していました。
近くで、地味な藍色のメタリックカラーをしたセンチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)も活動していました。
溜め糞の横に三脚を立てて、糞虫たちの活動を微速度撮影してみました。
ここを終日監視しているトレイルカメラの電池を交換する作業のついでです。
10倍速の早回し映像をご覧ください。(@1:52〜)
鬱蒼と育ったスギ林の林床は昼下がりでもかなり薄暗いので、予めカメラの設定でゲインを上げてから撮影しました。
センチコガネ類は食糞するだけでなく、溜め糞の中に潜り込んだり出てきたり、地表下にトンネルを掘り進めたりしています。
その結果、溜め糞はよく耕され撹拌され、分解が進みやすくなります。
獣糞が新鮮な場合はセンチコガネ類が小さくちぎり取って地中にどんどん埋めるのですが、糞の鮮度が落ちたこの日はそのような活動は見られませんでした。
タイムラプス映像で見ると、溜め糞自体がモコモコと上下に地殻変動しています。
地下の浅い所で糞虫が何匹もトンネルを掘って活動しているのだと推測できます。
表に見えるよりも溜め糞に集まっている糞虫の数が多いのでしょう。
センチコガネ類が溜め糞場でニアミスしても、配偶行動や争いなどは始まりませんでした。
糞虫だけでなく、多数の微小な白いダニが溜め糞上を這い回っています。
明らかに別種と分かる小型の丸っこい糞虫(エンマコガネ?)も活動していました。
せめて1匹だけでも採集して、同定すべきでしたね。
しかしなかなか獣糞の上に現れてくれないので、採集のチャンスがありません。
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