2022年8月上旬・午後15:15頃・晴れ
河畔林に自生する柳(種名不詳)灌木にある樹液酒場を定点観察しています。
柳の枝にはノブドウの蔓が巻き付くようになりました。
ヒトの手首の太さぐらいの枝に小さな穴(ミニ樹洞)が開いていて、傷口から樹液が滲んでいました。
その穴にコクワガタ♂(Dorcus rectus rectus)が潜り込もうとしつこく悪戦苦闘しています。
樹液酒場や昼間の隠れ家(塒)を巡る占有行動なのかと初めは思ったのですが、穴の中に同種の♀が潜んでいることが分かり、ようやく♂の目的が飲み込めました。
籠城する♀に対して♂は攻撃的に排除したい訳ではなく、ただ交尾したいだけのようです。
この♂個体の大顎は微妙に左右非対称でした(長さが左<右)。
泥であちこち白く汚れた鞘翅をよく見ると、小さな凹みがありました。
これはライバル♂との闘争で大顎に挟まれた跡なのかな?
しばらくすると穴の主(先客)がようやく入口に顔を出してくれて、大顎の短いコクワガタ♀と判明。
小さな大顎や胸背に柳の白い樹液がべっとりと付着しています。
♀はすぐに穴の中へ戻りました。
♀の隠れ家兼餌場に♂が潜り込んで交尾しようとしているのです。
柳の穴に頭だけ突っ込んでいたコクワガタ♂が一旦諦めました。
枝上で360°ぐるっと方向転換してから、再び♀宅に突撃。
もしこのシーンだけを見ていれば、周囲を油断なく警戒してライバル♂から♀を守ろうとする配偶者ガードと思うかもしれません。
♀は交尾拒否の意思表示として、♂を穴の入口から頑として締め出しています。
明るい昼間は交尾する気にならないのかな?
♀が♂の求愛を受け入れたら穴の外に出てきて♂との交尾が始まるのでしょうか?
♀の隠れ家兼餌場に力任せに押し入ろうとするだけでは余りにも芸がありません。
穴の入口が狭いのなら広げる工夫をすれば良いのに…と傍目にはもどかしく思うのですが、コクワガタ♂の大顎は木工道具としては使えないのでしょうか?
♂の執拗な求愛が成就したのか、最後にようやく♂が穴の中に体を入れることが出来ました。
長い攻防戦の末に♀が根負けして穴の奥に引っ込んだのか、交尾を受諾したようです。
しかし狭い穴の中で交尾は可能なのかな?
三脚を持参していればこの後も微速度撮影で監視したかったのですが、穴の中は暗くて見えませんし、手持ちカメラでの長撮りに私は疲れてしまいました。
関連記事(同所で1ヶ月後の撮影)▶ 柳の樹液酒場でスジクワガタ♀に誤認求愛するコクワガタ♂(繁殖干渉の配偶者ガード?)
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