2022年7月下旬・午後14:30頃・晴れ
スギ林道の溜め糞場sを監視しているトレイルカメラの電池を交換するために現地入りすると、林床に1頭のイチモンジチョウ(Limenitis camilla japonica)が居ました。
私が知らずにズカズカと近づくと警戒して少し飛び去ったものの、しばらくじっと待つと舞い戻って来ました。
スギの落葉や落枝が敷き詰められた林道の地面が日溜まりになっています。
イチモンジチョウは口吻を伸ばして地面を味見しながら歩き回り、お気に入りの場所を探り当てたようです。
翅を緩やかに開閉しながら口吻を伸ばして林床の地面を舐めています。
性成熟に必須のミネラル成分を獣糞から摂取しているのでしょう。
この個体は翅先が丸みを帯びているので、性別は♀ではないかと思うのですが、どうでしょうか?(自信なし)
真横から見ても翅を閉じると腹端が隠れて見えないのですが、腹部は常に真っ直ぐなので「吸い戻し」の排尿はしていないと思います。
しばらくすると、イチモンジチョウはようやくタヌキの糞塊そのものに移動して長々と吸汁を始めました。
溜め糞の表面は新鮮な下痢便で覆われています。
しかし糞塊そのものは味が濃厚過ぎるようで、辺縁部に移動して糞が付着したスギ落葉を舐めて回ります。
糞塊には糞虫やハネカクシ類などの先客が集まっているので蝶はあまり落ち着いて吸汁出来ない、という事情があるのかもしれません。
満ち足りたイチモンジチョウは自発的に飛び立ち、辺りを低く飛び回るともう戻って来ませんでした。
この溜め糞場sはタヌキとアナグマが共有しています。
トレイルカメラで撮れた映像を確認すると、イチモンジチョウが舐めていたのはニホンアナグマではなくホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が排泄した糞でした。
イチモンジチョウは汚物をよく舐めていますが、獣糞で吸汁するシーンは初見です。
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