2022年7月下旬・午前11:35頃・晴れ
線路沿いの草むらからキリギリスの鳴く声がします。
鳴いているキリギリス♂を見つけたのは初めてです。
地上からの高さは目測で110cmぐらいでした。
翅の動きに注目すると鳴き声と一致するので、この個体の鳴き声で間違いありません。
ときどきチョン♪と鋭く鳴くときの翅の動きが顕著です。
近くにいるらしい別個体♂と交互に鳴き交わしているようです。
鳴き続けるのも激しい運動なのか、腹部を伸縮させて腹式呼吸しています。
近くの車道をひっきり無しに通る車の走行音がうるさいのに、キリギリス♂は周囲の雑音に負けじと平気で鳴いています。
気温を測り忘れました。
自然の観察事典40『鳴く虫観察事典』によると、
・オスは前翅に発音器をもち、
・成虫は夏に現れ、草むらなどに生息して他の昆虫などを捕えて食べる。鳴き声は「ギー!」と「チョン!」の組み合わせで、普通は「ギー!」の連続の合間に「チョン!」が入る。(wikipedia:キリギリスより引用)
♂のキリギリスの前羽を調べてみると、羽のつけ根の部分だけが、背なかの上で重なりあうようになっています。この部分の左前羽の裏側には、太い翅脈に小さな歯がならんだヤスリがあります。そして右前羽の表側には、羽のふちの近くにまさつ片とよばれるかたい突起があります。キリギリスが羽をふるわせるたびに、重なりあった羽の部分で、まさつ片がヤスリをこすり、音を発生させます。発生したこの音を、膜状の発音鏡でさらに大きくして、キリギリスは、野原に大きな声を響かせるのです。(中略) 超音波をふくむ高い音波は、葉や枝に反射して遠くまでとどきません。そのため、キリギリスの♂たちは、繁った葉がじゃまにならないように、高い茎や枝にのぼって鳴きます。(p5より引用)
ヒガシキリギリス♂の鳴き声を声紋解析してみる
いつものようにオリジナルの動画ファイルから音声をWAVファイルとして抽出し、なるべくノイズの少ない部分※を適当に切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
「チョン、ギー♪」から始まり、後半はなぜかチョン♪が省略されています。
鳥の囀り とはまるで異なり、声紋にきれいな倍音構造は認められません。
(※ 車の往来が途切れたときでも、風切り音が混じったり、歩行者の足音が聞こえたり、近くの町工場から出るノイズが混入したりしています。)
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