前回の記事:▶ 晩春の河畔林を夜な夜な駆け回る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】
河畔林に設置したトレイルカメラによく夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が写るのですが、今回は珍客も現れました。
画面冒頭で野ネズミが林床に転がっている落枝の上を伝ってから右下へ跳び下り、走り去りました。
その直後、野ネズミと入れ違いで黒くて細長い甲虫がニセアカシア(別名ハリエンジュ)の根際に登場し、林床を左下に歩き去りました。
このシルエットは間違いなくマイマイカブリでしょう。
短い登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:17〜)
もしも野ネズミと出会っていたら、果たして暗闇でマイマイカブリを捕食したでしょうか?
マイマイカブリは自衛用の化学兵器を内蔵しているらしいので、野ネズミが噛み付こうとしても撃退したはずです。
(マイマイカブリは)危険を感じると尾部からメタクリル酸とエタクリル酸を主成分とし、強い酸臭のある液体を噴射する。(wikipediaより引用)
そんな決定的瞬間をトレイルカメラが撮影する僥倖に恵まれるには、地道に続けるしかありません。
私はマイマイカブリの実物をほとんど見たことがなくて、憧れの昆虫になっています。
自然豊かな雑木林の林床で昔一度だけ見かけたことがあるだけです。(動画に撮り損ねた悔しさが今でも記憶に残っています。)
マイマイカブリが夜行性ということも、この河畔林にマイマイカブリが生息しているということも、今回初めて知りました。
餌となるカタツムリがこの河畔林に多いことを意味しています。
日本固有種のマイマイカブリは飛べないため、地域によって多くの亜種に分化しています。
山形県産@鶴岡市は首の部分が赤紫色をしている。(宮沢輝夫『山形昆虫記』より引用)
赤外線の暗視映像では登場したマイマイカブリの体色について、残念ながら情報が得られません。
山形県南部に生息するマイマイカブリは、コアオマイマイカブリ(Damaster blaptoides babaianus) という亜種のはずです。
この河畔林に落とし穴トラップをあちこちに仕掛けて調べたら楽しそうですけど、なかなかそこまで手が回りません。
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