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2022/06/07

鉄柵の上を一列で渡り歩く雪国のニホンザル

 

2022年1月上旬・午前10:40頃・晴れ

前回の記事:▶ 雪深いリンゴ園で遊ぶ野生ニホンザルの群れ

山麓を流れる用水路の両岸にはヒトの落下事故を防ぐために鉄柵が設置されています。 
柵のてっぺんは鉄パイプの手摺になっていて、そこを野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが一列縦隊で続々と遊動していました。 
二足歩行のヒトは細い平均台の上を渡るのに訓練が必要ですが、身軽で四足歩行のニホンザルにとっては朝飯前です。 
脚の毛皮が雪まみれということは、雪原をラッセルして来たばかりと思われます。 
深雪の中をラッセルして遊動するよりも、高所に露出した手摺の上を渡り歩く方が体力の消耗も少なくて楽ちんなのでしょう。 
しかし真冬に金属製の手摺(鉄棒)に手足をペタペタ付けて歩くのは、体温が奪われていかにも冷たそうです。 

この冬に生まれたばかりの赤ん坊は、母猿の腹にしっかり抱きつくか(抱っこ)、母猿の腰に乗るか(おんぶ)して運ばれて行きます。 
それよりも成長した(乳離れした)若い子ザルは単独で自由に歩きます。 

手摺の途中で座り込んで一休みする個体もいます。 
細い一本道(一本橋)なので、前が塞がれると後続の個体は困ってしまいますが、鉄柵を少し降りて追い越そうとしていました。 

手摺に座り、熟したリンゴの果実を丸ごと食べている母親がいました。 
おそらく近くのリンゴ園で雪の下から落果を掘り出してきたのでしょう。 
後続の個体に急かされ、食べかけのリンゴを口に咥えたまま手摺の上を歩き始めました。 

アルビノ(白化変異?)の若い個体が単独で手摺の上を渡り歩いていました。 

首輪を装着した個体(♀?成獣)も1頭通りかかりました。 
首輪の黒い小箱にはGPSや追跡用の電波発信器が入っているのでしょう。 

最後に登場した個体は天の邪鬼のようで、用水路の対岸にある鉄柵の手摺をなぜか逆行していました。 
手摺の奥の雪面に降りる際、股間に白い睾丸が見えたので若い♂と判明。 

野生ニホンザルは個性豊かな集団で、見ていて飽きません。

※ 遠くで鳴く猿の声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。






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