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2022/02/23

崖の巣穴に夜な夜な出入りする野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬
前回の記事:▶ 夜に池の浅瀬を渡る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

里山にある小さな池の岸の山側は崖になっていて、そこに横穴が開いています。 
横穴のひとつにトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を仕込んで、水場にやって来る野生動物や野鳥を撮影してきました。 
その穴は夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が出入りする巣穴であることが分かってきました。 
2台のカメラを別アングルで設置して監視した10月下旬の記録をまとめました。 
後半は気温のデータも取得できました。
気温4〜5℃という寒い夜でも野ネズミは活発に動き回ることが分かり、驚きました。


シーン1:10/21・午後19:30 
巣口付近だけを見ても複雑なトンネル網が形成されていて、あちこちに通り抜けられるようです。 
巣穴から出た野ネズミは左の崖を斜め上に走り去りました。 


シーン2:10/22・午後22:57 
翌日の晩もほぼ同じルートで巣穴の左に外出しました。 
登場する野ネズミは同一個体なのかな? 


シーン3:10/24・午後17:30 
出巣すると、珍しく右へ走り去りました。 


シーン4:10/25・午後19:32 
崖の巣口に仕込んだトレイルカメラで撮れた暗視映像です。 
池の左岸の水面をチョロチョロと走って来ます。 
池に積もった落ち葉や落枝を伝い歩けば、体重の軽い野ネズミは水に濡れずに歩けるようです。 
崖を登ると、カメラの前を右往左往しています。 
前日まで無かったカメラが巣口を塞いでいるので、戸惑っているのでしょう。 


シーン5:10/27・午後21:22 
2日後の晩にもほぼ同ルートで左岸から登場しました。 
崖を登ってカメラのすぐ前を右往左往。 


シーン6:10/28・午後21:10頃・気温4℃ 
トレイルカメラを仕込んだ崖の横穴から巣口まで出てきた野ネズミが、トレイルカメラの周囲を何度もぐるぐる回っています。 
巣口に置かれたカメラがいかにも邪魔そうですが、隙間から通り抜けることはできています。 
このときトレイルカメラ(104×75×43mm)自体が野ネズミの大きさの比較対象物となっています。 
ようやく外出すると、崖を右下に降りて行きました。 
と思いきや、すぐに駆け戻り、巣穴の左の急な崖を直登して姿を消しました。 
小雨がぱらついているようです。 


シーン7:10/29・午後19:30頃・気温5℃ 
野ネズミが外出から帰って来ました。 
崖の急斜面をチョロチョロと右下に降りてきます。 
なぜか巣穴には入らずに、通り過ぎました。 


登場する野ネズミがヒメネズミApodemus argenteus)またはアカネズミApodemus speciosus)のどちらなのか、映像で見分けられる方がいらっしゃいましたら教えてください。 
小型で木登りができるヒメネズミは樹上性らしいので、私が見ているのはアカネズミかな?と思っていました。 
ところが、ヒメネズミも地上で活動したり地中の巣穴を使うことがあるらしいので、決めつけられないのだそうです。 

野ネズミについて勉強しようと、今泉吉晴『野ネズミの森』を読んでみました。 
私が見ている崖の横穴は、野ネズミの繁殖用の巣穴ではなく食事用の隠れ家なのかもしれません。
 野ネズミは、たいていの場合、食事をかくれ場のなかでします。(中略)野ネズミたちは、満腹になると、はこんだ種子を、穴をほってうめていたのです。(p18より引用)
 アカネズミは、ヒマワリの種子のように、かんたんになかみをとりだせる食べ物だと、ひろったその場で食べることもあります。でも、クルミの殻は、かたくて、なかなかなかみをとりだせません。(中略)時間のかかる食事をするアカネズミには、安心できる食事場がひつようなのです。(p34より引用)
今季はストイックに給餌無しで撮影しました。 
来季の計画としては、ヒマワリの種子やドングリ、オニグルミの実などを巣穴の近くに置いて給餌してみたら、面白そうです。

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