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2021/08/22

ヒヨドリ幼鳥に巣外給餌しないで焦らす親鳥(野鳥)

 

2021年6月中旬・午後17:35頃・くもり
前回の記事:▶ 巣立ち直後のヒヨドリ幼鳥をブロック塀から安全な場所に誘導する親鳥♀♂(野鳥)
巣立ったばかりと思われるヒヨドリHypsipetes amaurotis)幼鳥aを少し離れたところから観察していたら、路地の角を曲がった所の電線に別個体の幼鳥bを見つけました。 
赤い実を咥えた親鳥と並んで電線に止まっています。 
実の親子とは言えあまりにも体格差があるので、逆光でシルエットしか見えなかった私は、まさかヒヨドリがスズメに異種間給餌するのか!と驚愕して慌てて撮影を始めました。 
しかしズームインしてみると、スズメではなくヒヨドリの幼鳥でした。 
ヒヨドリが親子で並ぶと、幼鳥の尾羽は成鳥に比べて著しく短いのがよく分かります。 
親鳥が嘴に咥えている赤い実は、おそらくナツグミの熟果でしょう。

幼鳥bはほとんど餌乞いせずに親鳥の横でおとなしく待っています。 
カメラを向ける私を警戒していた親鳥がようやく幼鳥に口移しで給餌…するかと思いきや、焦らすように給餌しませんでした。 
「はい、アーン…やっぱりお預け!」
そのまま親鳥は餌を持ったまま飛び去ってしまいました。 
嘴を大きく開けて親鳥を見送った幼鳥が絶望の表情に(擬人化して)見えてしまい、思わず私は笑いそうになりました。 
これだけ焦らされても幼鳥bは親鳥を追いかけて飛んでいかず、電線に居残りました。 

赤い木の実を咥えたまま親鳥がすぐにまた幼鳥の近くの電線に戻って来ました。 
しかし今度も幼鳥bに巣外給餌することなく、私がカメラを向けた途端に飛び去りました。 
親鳥のこの動きが私の対する警戒のせいなのか、それとも幼鳥bを安全地帯に誘導したいのか、それが問題です。 
相変わらず幼鳥bは電線に止まったままです。 

親鳥が幼鳥bに巣外給餌しなかった理由は何でしょう?
仮説をまとめてみました。
(1)育雛期のヒヨドリの親鳥はヒトに対する警戒心が特に強く、近くでカメラを向けられているのを嫌うのかな? 
(2)それとも、餌で釣って幼鳥bをもっと安全な場所に誘導し、散り散りになった幼鳥たちを1つの群れにまとめようとしているのでしょうか? 
幼鳥が空腹でなければ、この作戦は上手く行かないでしょう。
(3)あるいは、幼鳥の空腹度合いを見極めているのかもしれません。 
親鳥♀♂はあちこちに散らばった複数の巣立ち雛を同時に世話しないといけませんから、より空腹の個体に優先して巣外給餌するはずです。 
幼鳥bの餌乞い行動が弱かったのは、それほど空腹ではなかった証でしょう。

この3つの仮説は必ずしも排他的なものではなく、どの要素もありそうです。
今のところ私は(3)が有力だろうと考えています。 
私がもう少し距離を空けて観察を続けると、電線に残った幼鳥bに親鳥がせっせと通って巣外給餌するようになったからです。(映像公開予定) 

※ 動画編集時に逆光補正を施し、音声は正規化して音量を強制的に上げています。 

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