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2021/06/01

雪深い早春の池で背泳する越冬明けのマツモムシ

 

2021年3月中旬・午後13:20頃・くもり(薄曇り) 

アカガエルの繁殖行動を観察するために、里山で沢の水が溜まる池にやって来ました。 
ここは日当たりの良い山腹ですが、池の周囲も未だ深い雪で一面覆われています。 
お目当てだったアカガエルの姿は見当たらなかったものの、水中で活動する水生昆虫が目に止まりました。 
生きた昆虫をフィールドで見つけたのは今季初で、嬉しい出会いです。 

2匹のマツモムシNotonecta triguttata)が雪解け水の水面下で背泳ぎしていました。 
長い後脚をオールのように使って水を掻いて進みます。 
2匹が水面下でニアミスしても、互いに没交渉でした。 

マツモムシが成虫で越冬することも、こんな早春に活動を再開することも、私は知りませんでした。 
実は同じ日の午前中(約2時間前)にこの池を見に来たときは、何も居ませんでした。 
念の為に午後にも再訪した甲斐がありました。 
午後になって水温が上がると、マツモムシが活動し始めたようです。 
てっきりマツモムシは越冬場所の山中から池に飛来したのかと思ったのですが、ネット検索してみると、DAYLIGHT RAMBLERさんのブログ記事「越冬明けのマツモムシ」で以下の記述を見つけました。
いつも背泳ぎしているマツモムシは、成虫越冬です。冬の間は水底の落葉の層なんかにひそんでおり、そういうところを掘り返すと出てくることがあります。
いつか私も確かめないといけません。
この池の底には落ち葉や緑の藻が堆積しています。 
潜水したマツモムシは、水底の泥の中や石の陰に隠れてしまいました。 

こんな雪深い早春から活動を再開しても、肉食性のマツモムシは一体何を捕食して生きていくつもりなのでしょう? 
そろそろ繁殖期に入るアカガエルの卵や幼生が目当てなのかな? 


池に溜まった雪解け水の水温を測るのを忘れてしまいました。 
太陽が水面に反射するので、次回はカメラのレンズに偏光フィルターを装着してからマツモムシを撮影してみるつもりです。 

『カメムシ博士入門』という本を紐解いて、マツモムシについて調べてみました。
・捕獲用の前・中脚と漕ぐ後脚、まさに舟を漕ぐ漁師だ。(p25より引用) 
・プラストン呼吸=アクアラング方式 (マツモムシは)毛を密生してアクアラングのように空気をためる呼吸法(p31より) 
・マツモムシ:腹面を見せた仰向けの姿で水面下を泳ぐ。空気の貯まった腹面は銀色に輝いて見える(p83より)

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