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2021/01/07

イチモンジセセリの求愛と交尾拒否@ニラ花

 

2020年9月中旬・午後15:00頃・くもり 

川沿いの土手に咲いていたニラの群落で訪花中のイチモンジセセリ♀(Parnara guttata)に同種の♂が背後からしつこくつきまとって求愛していました。 
口吻を伸ばしてニラの花蜜を吸っている♀のすぐ背後に♂が密着するように止まっていて、♀に交尾を迫っています。
一方、吸蜜中の♀はしっかり閉じた翅を小刻みに高速で羽ばたいていました。 
これは飛び立つ前の準備運動というよりも、交尾拒否の意思表示だと思います。 
おそらく♀は既に交尾を済ませていて、「色気より食い気」の状態なのでしょう。  
細かく震わせている♀の翅に♂は右触角で触れていました。 
ニラの茎にしがみついた♂もゼンマイ状の口吻を軽く曲げ伸ばししていました。 
ときどき♂は飛び立つと♀に背後から頭突きでぶつかり、文字通り求愛のアタックを繰り返しています。 
私の想像ですが、♂は♀のしっかり閉じた翅を背後から頭でこじ開けて交尾体勢に入りたいのかもしれません。 
♂のしつこいセクハラに嫌気が差した♀はあちこちに飛んで逃げ、近くのニラの花序に止まり直しました。 
それでも♂は♀を密着マークし続けます。 

後半になると♀は吸蜜を止めてしまいました。 
♂にしつこくセクハラされてる間、♀は吸蜜行動や産卵行動が邪魔されたり(機会損失)、目立って天敵に捕食されるリスクが高まったりするので、性的対立は深刻な問題です。 
性的対立の解消法(妥協点)は生物の種類によって異なるので、それを調べるのが面白いところです。 
やがて求愛を諦めた♂は潔く紳士的に飛び去りました。 

そのままカメラを左にパンして、振られたイチモンジセセリ♂がニラに吸蜜して栄養補給するシーンを撮影。(@1:42〜) 
…したつもりだったのですが、映像をよくよく見直すと、同一個体の♂どころか別種のオオチャバネセセリZinaida pellucida)でした。
(ストーリーがブレるので編集でカットすべきでしたね)

残念ながら私は未だイチモンジセセリの求愛が成就して交尾が成立する過程を観察できていません。

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