2020年8月中旬・午前10:40頃・晴れ
里山の狭い登山道(標高379m地点)を横切るように張られた垂直丸網の中央の甑 に見慣れない小さなクモが下向きで占座していました。
マクロレンズで接写してみると、腹背がトゲトゲしくてなかなか格好いい形状です。
帰ってから図鑑で調べてみると、トゲグモ♀(Gasteracantha kuhli)と知りました。
腹面からも接写して外雌器の有無を確認したかったのですが、円網の裏面にどうしても回り込むことができませんでした。
背面の外見だけでも♀とみなして大丈夫?
正常円網は垂直というよりも、やや斜めに張られていました。
ホツツジの花が咲いている横です。
地上から甑 までの高さは約160cmで、その上下に細くて白い縦の隠れ帯が伸びていて、よく目立ちます。
円網の直径は約20cm弱。
網を壊さないように遠慮しながら巻尺で採寸したので、大雑把な数値です。
円網には粘着性のある横糸が密に張られています。
しかし所々、横糸の張り方が不規則に乱れているのは、どういうことなのでしょう?
「人間だもの」、ならぬ「クモだもの」ということなのかな?(自然界のクモは造網行動が完璧ではない?)
網全体の張力を調節するためにそうなったのかもしれません。
それとも、獲物がかかって破れた所を修繕したのでしょうか?
甑の部分の縦糸は、円形に食い破られていないようです。
甑のすぐ外側には、縦糸のみで横糸が張られていない領域があります。
樹林帯(雑木林)の山道を吹き抜ける風で網が前後に揺れています。
網に微小な虫がかかった気配を感じたのか、甑上のトゲトゲ♀が急に方向転換して上を向きました。
しかし異状なしと判断したようで(警報装置の誤作動?)、再び下向きに占座。
最後にようやく円網の下方に微小な虫がかかりました。(@2:10)
振動に反応したクモが即座に駆けつけると獲物を甑に持ち帰り、捕食開始。
獲物は小さ過ぎて正体不明ですが、透明な翅が見えました。
トゲグモが獲物を糸でラッピングするまでもありませんでした。
ネイチャーガイド『日本のクモ』という図鑑でトゲグモを調べてみて気になったのは、
網の枠糸には数センチおきに白色の糸クズを飾りのように付ける。(p228より引用)現場で私は気づかなかったものの、動画を見直すと確かにちらっとだけ写っていました。
生憎この日は三脚も一脚も持ってこなかったし、網が風で揺れてピントが合わないし、被写体は小さいし、夏の日差しが強くて白飛びするし…と接写にとても難儀しました。 (言い訳三昧)
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