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2020/06/07

円網にかかったミヤマアカネ♂の死骸をラッピング・捕食するジョロウグモ♀(蜘蛛)



2019年9月上旬

ジョロウグモ♀(Nephila clavata)がいつの間にか室内の隅に円網を張っていました。
昼間に開いていた窓の外から室内に侵入したようです。
ごくありふれた普通種のジョロウグモでも未だ観察できていない宿題が幾つか残っているので、そのまま飼育します。

給餌するために、ミヤマアカネ♂(Sympetrum pedemontanum elatum)を野外で捕獲してきました。
夜ジョロウグモの網に給餌してもトンボは全く暴れず、クモは捕食しませんでした。
トンボが死んだふり(擬死)しているというよりも、久しぶりに折った三角紙の中で既に瀕死状態(虫の息)だったようです。
網上の獲物に私が音叉や指で振動を与えても、ジョロウグモ♀は無反応でした。
満腹なのでしょうか?
仕方がないので、そのまま数時間放置。

ところが、夜中に私がパソコンの作業を終えて電源を切ったら、横のジョロウグモが急に活動を始めました。
これは偶然でしょうか?
ジョロウグモは特に夜行性ではありません。
もしかするとPC内のファンやハードディスク(HDD)などが高速で回転する絶え間ないノイズのせいで、ジョロウグモ♀は網の振動を感じられなくなっていたのかもしれません。
歩脚の先で網を弾いて、ミヤマアカネ♂がかかっていることに気づいたようです。
(映像はここから)
ジョロウグモ♀は獲物に駆け寄って少量の糸でラッピングすると、網から外してこしきに持ち帰りました。
下向きに占座して落ち着くと、ようやく獲物を捕食し始めました。
クモは新鮮な生き餌しか食べないと思っていたので、死骸もラッピングして食べるとは意外でした。

長々と続く捕食シーンを100倍速の早回し映像をご覧下さい。(@3:45〜)
ジョロウグモ♀は獲物の噛む位置を少しずつ変えながら体外消化しています。
初めはトンボの頭部に噛み付いていたのですが、途中から胸部を噛み始めました。
最後はトンボの胸部から外れた頭部を歩脚でくるくる回しながら噛みしめ、体液を吸汁しています。
胸部と腹部の境界も今にも千切れそうです。
カメラの仕様により、約3.5時間で微速度撮影の限界となり打ち切られてしまいました。

ところで、死んだミヤマアカネ♂の翅の縁紋が蛍光ピンクに光って見えるのは、照明(白色LEDと蛍光灯を併用)のせいですかね?

朝になると、ジョロウグモ♀はミヤマアカネ♂の食べ残し(翅の周囲)をいつの間にか網から捨てていました。
前回の食べ残しは背後の網に付けたままです。

この時期は同時並行で色んなテーマの撮影を行っていたのでとても忙しく、ジョロウグモの方はこれ以上もう手が回らなくなってしまいました。
また来年に持ち越しです。
室内で網を張らせるアイデアは良いのですが、撮影のためには背景の色を工夫してもう少しすっきりさせないと肝心のクモの網がきれいに写りません。




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