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2020/05/23

日没直前に川から塒へ飛び去るカワウの群れ(冬の野鳥)



2019年12月下旬・午後16:11〜16:19・くもり(日の入り時刻は午後16:22)
▼前回の記事
川岸の倒木に離合集散するカワウ:1日の暮らし【10倍速映像】(冬の野鳥)

川岸の倒木で昼間過ごしているカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れが夕方に集団ねぐらに向かって飛び立つ瞬間を前回は撮り損ねてしまったので、リベンジにやって来ました。
倒木の対岸に夜明け前からブラインドを張って隠し撮りする手法は私の肉体的な負担が大きいので、作戦変更します。
アングルを変えて遠くの上流地点から望遠レンズで狙えば、夕方から撮影に行ってもカワウに警戒されることはありません。
秋の台風による増水で川の右岸が侵食されて倒木が集中した区間があり、そこでカワウの群れが並んで休んでいます。

冒頭では倒木に計6羽、川面に1羽のカワウが写っています。
周囲では多数のカルガモも休んでいます。
止まり木上に止まるカワウの向きは個体によってバラバラでした。
倒木でカワウは羽繕いもほとんどせず、欠伸したり、ただまったりと休んでいるだけです。
太陽が出ていないので、翼を広げて乾かす行動もしていません。
一方、川面に浮かんでいる個体は潜水漁も水浴もせず、のんびりと遊泳してるだけです。

ちなみに一番手前に見える倒木が、これまで対岸から定点観察してきた倒木aです。
撮影アングルが90°違うと印象が一変しますね。
今回のアングルの方が、止まり木上で並ぶカワウの個体間隔や遠近感がよく分かります。

倒木上の1羽が急に川面の上流側に飛び降りて入水しました。(@3:20)
そのまま川面を横断し、岸から離れて行きます。
いよいよねぐらに帰る時間です。
更に2羽が相次いで倒木から川に飛び降りました。(@3:33)

画面の一番右に居た個体は、倒木上からいきなり潜水するという、珍しい入水法を披露してくれました。(@3:40)
倒木に残った個体もそわそわし始め、仲間に遅れまいと次々に川面に飛び降りました。
軽量化のため脱糞してから飛び立つ個体もいます。

岸を離れたカワウは川幅の中央付近まで川面を遊泳すると下流に向かって全力疾走を始めました。
羽ばたきながら川面を両足跳びで助走すると、集団ねぐらの方向へ飛び去りました。
各自が勝手なタイミングで三々五々と飛び去るのは意外でした。
黒いカワウの群れが一斉に飛び立つ、もっと迫力あるシーンを期待していたので、拍子抜けしました。

以前観察した白鳥の離塒のように、川面から一斉に飛び立つタイミングを揃えるために群れが鳴き交わすことはありませんでした。
(今回は被写体が遠過ぎて、カワウの鳴き声が聞き取れなかっただけかもしれません。)

▼関連記事(3年前の撮影)
早朝に集団塒の川から飛び立つコハクチョウの群れ:ハイライト映像(冬の野鳥)

低空で飛び去るカワウ3羽+1羽の後ろ姿を撮影できました。
最後の1羽は左岸のどこかに単独で休んでいたようで、それまで全く気づきませんでした。


カワウは群れで溜まる場所をいくつか持っており、そこで休息と睡眠をとる。夜明けには採餌のために隊列を成して餌場に向かい、夕方になると再び群れでねぐらに戻る。群れでの飛翔時には、V字形に編隊を組んで高く飛ぶことが多い。1日の移動距離は10-20kmとされる[16]。(wikipediaより引用)

体重の重いカワウは離陸しても、なかなか高度が上がりません。
群れが上空で雁行陣を組む様子を確認する前に、カワウ達は低空飛行のまま河畔林の陰に隠れてしまいました。
カワウに個体標識して行き先を確かめた訳ではありませんが、私が知る最寄りの集団塒まで直線距離で3〜4kmしかありません。
この群れは個体数が少なく目的地が近いので、おそらく雁行陣にならないのではないかと私は予想しています。
もっと個体数が多い群れだと、一斉に離陸して塒まで「くの字型」で飛ぶのかもしれません。
蛇行する川に沿って上空を飛ぶのか、それとも直線的に最短距離を飛ぶのか、刻々と暗くなる時間帯に追跡調査するのは大変です。
生け捕りしたカワウに電波発信機やGPSを装着して日々の行動を追跡調査したら面白そうです。

映像に最大8羽のカワウが登場するのは、数日前に倒木の対岸から間近で観察したときと同じでした。
おそらく同じ群れ(家族?)が昼間は毎日この流域で過ごしているのでしょう。

カワウが居なくなり、川に残ったのはカルガモとキンクロハジロの混群だけです。
カモ類は夜もここに留まって塒とするようです。

※ 曇り空の夕暮れ時で薄暗いので、手持ち夜景モードで撮りました。


カワウ8?(野鳥)@川岸:倒木
カワウ6(野鳥)@川岸:倒木+1@川面



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