ページ

2019/04/08

クロマダラエダシャク(蛾)幼虫の尺取り運動と命綱の役割



2018年10月中旬

湿地帯に生えた柳の灌木(種名不詳)で縦縞模様の尺取り虫を見つけました。
初めはトビネオオエダシャクPhthonosema invenustarium)の幼虫だと思ったのですが、どうですかね?
この個体は頭楯全体が黒いことから、例えばヒトスジマラダエダシャク幼虫にも似ていますが、ホスト(ニシキギ科)が違うので悩みます…。
ひょっとすると、クロマダラエダシャクAbraxas fulvobasalis)の幼虫なのでしょうか?(ホストは柳!)
Abraxasの成虫は確かにこの辺りでよく見かけます。

尺取り運動で歩き回る際に口元から細い絹糸を引いて、あちこちに付着させているのが見えます。
秋風で揺れる柳の葉縁で方向転換に失敗した幼虫は、滑落してしまいました。
命綱の絹糸で宙吊りになった幼虫は、口器と胸脚を使い糸を(絡め取るように)手繰り寄せながら力強く登り返しました。
こうした命綱は、徘徊性クモの「しおり糸」と同じ機能ですね。
その後もなぜか再び滑落したのですが、なんとなく自発的に落ちたようにも見えました。(私の勝手な印象)

採集しようか迷いましたが、本種は繭は紡がないらしいので、(動画ブログのネタとしては)飼育してもあまり面白そうではありません。
それでも、幼虫が柳の葉を食べるシーンを記録するべきですね。

また、しっかり同定するには成虫を羽化させる必要があるので、いつか飼育にチャレンジします。


▼関連記事(7年前にほぼ同じ場所の柳でマクロレンズ接写)
クロマダラエダシャク(蛾)幼虫の尺取歩行

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クロマダラエダシャク(蛾)幼虫:側面@柳葉裏
クロマダラエダシャク(蛾)幼虫:側面@柳葉裏
クロマダラエダシャク(蛾)幼虫:背面@柳葉裏
クロマダラエダシャク(蛾)幼虫@柳枝葉+尺取り運動
クロマダラエダシャク(蛾)幼虫@柳枝葉+尺取り運動
クロマダラエダシャク(蛾)幼虫@吐糸宙吊り

0 件のコメント:

コメントを投稿