ページ

2018/10/21

訪花中のクマバチ♂を襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】



2018年7月下旬

民家の庭に咲いたセイヨウニンジンボクの灌木でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が吸蜜に来てしていました。
前回撮り忘れた240-fpsのハイスピード動画で訪花シーンを撮ってみました。(前回とは撮影地点が違います。)

▼前回の記事
セイヨウニンジンボクの花蜜を吸うクマバチ♀の群れ

花から花へ飛び立つ瞬間を狙ってクマバチ♂の羽ばたきに集中していたら、小型のトモンハナバチ♂(Anthidium septemspinosum)も素早く飛び回っていたことに現場では気づきませんでした。
スーパースローで見直すと、とても興味深い瞬間的な行動が記録されていました。

セイヨウニンジンボクの花で吸蜜中のクマバチ♂の背後からトモンハナバチ♂が飛来しました。
トモンハナバチ♂はホバリング(停空飛翔)して狙いを定めると脚を前方に伸ばして相手に掴みかかりました。
一瞬早くクマバチ♂が花から飛び立ち、間一髪で攻撃?を交わしました。
空中でホバリングしながらクマバチ♂とトモンハナバチ♂は睨み合いました。
2匹はすぐに別れたのですが、迫力たっぷりの一瞬の空中戦でした。
似ても似つかないのに(大きさも色も明らかに別種)、そそっかしいトモンハナバチ♂がクマバチ♂を交尾相手(トモンハナバチ♀)と誤認したのかもしれません。
探雌飛翔中のトモンハナバチ♂は、とりあえず蜂らしい物なら何でも飛びついてみる作戦なのでしょう。

▼関連記事(5年前の撮影)
トラマルハナバチ♀とトモンハナバチ♂のニアミス【ハイスピード動画】

Take2の映像でも、奥の花に移動したクマバチ♂の背後から再びトモンハナバチ♂が急襲していました。
この出来事に全く気づかずに撮影を止めてしまったのが残念です。

おそらく誤認求愛だろうと考えていたら、特定の蜜源植物の周囲に縄張りを張って守ろうとする(クマバチ♂などのライバルを追い払う)占有行動の可能性も出てきました。
実は同じ日に別な場所で観察したのですが、訪花中のキアゲハに対してもトモンハナバチ♂が背後から飛びかかって追い払っていました。
▼関連記事
訪花中のキアゲハを襲うトモンハナバチ♂【ハイスピード動画】
さすがに大型の蝶に対してトモンハナバチ♂が誤認求愛するとは考えにくいので、占有行動の習性もありそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
アメリカの公共放送局PBSが近縁種Wool Carder beeを扱った動物番組を公開しました。
見事なスーパースロー映像を駆使していて、見応えがあります。
雄蜂♂が蜜源植物の群落で縄張りを張り、同種の♂や他種のハナバチ(マルハナバチなど)を激しく追い払うと紹介されていました。
つまり、縄張り防衛の占有行動という解釈でした。
闘争の際には腹端の刺を使うそうです。
同種の♀が訪花に来ると交尾を挑むのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿