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2017/07/30

雨の日は巣にこもって雛を温めるハシボソガラスの親鳥(野鳥)



▼前回の記事
巣内の雛に給餌し辺りを見張るハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)

高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#5


2017年5月中旬・午後15:06~15:20

この日は前線の通過に伴い、朝から雨が降り続いています。
それほど激しい雨ではなく、1~2mm/hの降水量。

これまで観察してきたように、晴れた日は夫婦共稼ぎで餌を探しに出かけ、雛だけで留守番します。
この巣は雨ざらしで剥き出しの状態ですから、未だ体温調節能力の低い幼い雛を守るために雨の日はハシボソガラスCorvus corone)の親鳥は抱雛するのではないか?と予想しました。
雨仕度をしていそいそと様子を見に行きました。


予想通り、おそらく♀と思われる親鳥が雛の上に覆い被さって雨に打たれながら雛鳥をひたすら温めていました。
在巣の親鳥は巣に座ったまま動きが無く、ときどき身震いのように尾羽根を動かしています。
もし雛が未だ小さい時期に雨天が続くと、雛への給餌ペースが半分に落ちて雛の発育が遅れそうですね。
つまり梅雨入りする前に危険な時期を早く乗り切ることが育雛のポイントだと思われます。
カラスぐらいの知能があれば雨風が凌げる営巣地を選ぶか、巣材で雨避け・日除けの屋根を作ればいいのに…、とお節介なことを思ってしまいます。

かなり退屈な映像ですが、記録としてそれが狙いです。(写真よりも説得力、証拠能力があるでしょう)
昼間に晴れていれば、これほど長時間、親鳥が巣にじっと座っている(休んでいる)ことは決してありません。
傘に当たる雨音と、走行車が水しぶきを跳ね上げる音で、雨天だと伝わるでしょう。

比較対照として、同時並行で観察している他のカラスの巣も巡回して観察すべきでしたね。
しかし雨の日にこれ以上足を伸ばすのは億劫で、さぼってしまいました。
言い訳としては、巣によって雛の発育段階が不揃いだったのです。(この巣#19が最も早い)

※ 暗い雨雲を示すために、今回は動画に自動色調補正を施していません。
下の写真では色調補正してみました。

つづく→#6:雨天の給餌


【追記】
唐沢孝一『カラスはどれほど賢いか―都市鳥の適応戦略 (中公新書)』によると、

 産卵後は、♀親によって約20日抱卵されて孵化する。孵化したばかりの雛は、羽毛は生えておらず、普通の小鳥の雛のようにピンク色をしている。しかし、数日後には皮膚は黒色に変化し、つぶれたゴムタイヤのような皺だらけでグロテスクな雛になる。羽毛の生えていない雛は体温維持が不十分なため、さらに二週間にわたり♀親が抱雛する。雛の巣立つのは孵化後、約1ヶ月である。(p114より引用)



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