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2013/08/16

タニウツギの葉裏に泥巣を作るヒメクモバチ♀



2013年6月中旬

里山でぼうぼうに生い茂った草をかき分けつつ廃道を下っていると、タニウツギ幼木の葉裏にヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)の泥巣を発見。
泥巣の上部だけ泥が濡れているのは作りかけの育房です。
乾くと泥巣は白っぽくなります。
泥巣の位置は地上95cmの高さ。
しばらく待つと案の定、母蜂♀が帰巣して育房を増築し始めました。

巣材の泥玉を咥えて帰ってくると、近くの葉上にいったん止まり泥玉を噛み解すことがありました。
泥玉を口元で捏ねながら口から水を吐き戻して滑らかな泥玉を作っているようです。
カメラのレンズや鏡筒に止まったこともあるので、初めは巣の横に立つ私を警戒していたのかもしれません。

作りかけの育房に頭から入り、壁面を作っています。
泥玉を少しずつ塗りつけると曲げた腹部の端を激しく動かして左官作業に精を出しています。
育房の内側から腹端で叩くので泥壺の内面は滑らかになりますが、外側はごつごつしたままです。

帰巣した♀はタニウツギの葉表に着陸してから葉裏に回り込んで泥巣に辿り着くことが多いです。
葉裏にある泥巣が表側からも少し透けて見えるので、これが目印になっているのでしょう。
それでも葉裏に直接着陸して帰巣することも稀にありました。

撮影時刻を映像に付記しておきましたが、間隔の開いた時間帯はハイスピード動画に撮っていました。
母蜂がさぼっていた訳ではありません。


つづく→「泥巣に出入りするヒメクモバチ♀の飛翔【ハイスピード動画】

※ ヒメクモバチの仲間は♀の外見だけから同定するのは難しいのですけど、この泥巣を採集して後に羽化した♂の特徴および泥巣の形状からナミヒメクモバチAuplopus carbonariusと判明しました。

種小名のcarbonariusは炭のように黒いという意味のようです。(参考:『完訳ファーブル昆虫記 第4巻上 第2章ヒメベッコウ:クモの狩人』p45より)





葉の表から泥巣が透けて見えます。

作りかけの育房は泥が半乾き。

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