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2012/11/29
ミカドトックリバチ♀が尺取虫を運ぶ【前編】
2012年8月下旬
林道脇の草むらでトックリバチを発見。
前伸腹節に「にっこりマーク:)」の黄紋があるので、ムモントックリバチではなく、ミカドトックリバチ♀(Eumenes micado)のようです。
仰向けにした獲物の喉元を大顎で咥えています。
獲物は細長い青虫で、尺取虫(シャクガ科幼虫)でした。
狩られた直後なのか麻酔が不十分なのか、青虫の腹端がピクピク動いています。
これから泥巣に持ち帰るはずです。
トックリバチの貯食行動を観察するのは初めてなので、わくわくしながら見守りました。
ようやく獲物を咥えたまま蜂は茎を登り始めました。
羽ばたく推進力も使って苦労して運び上げています。
体長は明らかに蜂よりも獲物の方が大きく、飛び立っても荷物が重すぎてすぐに落ちてしまいます。
少しでも高い所に獲物を運び上げてから滑空して飛距離を稼ぐ作戦なのでしょうか?
大して奏功してない印象です。
たとえば2mぐらいの長い棒を目の前に差し出して登らせたら、見事な滑空を披露してくれたでしょうか?
草葉の上に獲物を保管しようと繰り返しているようにも見えます。
クモバチのように、営巣地へ偵察に行く間に獲物をアリに盗まれないよう一時保管しておく隠し場所を探しているのでしょうか?
(未だ道中でアリと出会っていません。)
これまでオオモンクロクモバチやオオシロフクモバチでこのようなアリ対策を観察しました。
しかしトックリバチは泥巣を先に作り産卵も済ませてから狩りに出かけるので(クモバチとは順序が逆)、獲物の一時保管は不要のはずです。
蜂は草むらを抜け、遂に砂利道を横切り始めました。
腹合わせに抱えた青虫に跨り、歩いて前進します。
ときどき羽ばたきながら、ほぼ一直線に進みます。
ところが途中で貧弱な草葉に出会う度に、いちいち道草を食っています。
草から草へわざわざ登ってから飛び下りるのです。
休憩中もアリを警戒しているのでしょうか?
草葉にぶら下がった姿勢で獲物の噛みほぐしを行っている気もしますが、うまく撮れず定かではありません。
左中脚一本の爪先で草葉からぶら下がり、暴れる青虫を背側から抱え込み甘噛みしています。
腹端を獲物に向けて曲げたものの、毒針で刺したかどうか不明です。@x:xx
運ぶ際は必ず腹合わせになるよう持ち直します。
つづく
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