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2011/10/10
ウスバカマキリ♀の卵鞘作り:15倍速映像
ウスバカマキリ♀の飼育記録
2011年9月下旬・室温23〜24℃
身重のウスバカマキリ♀(Mantis religiosa;体長61mm)が遂に卵鞘を作り始めました。
私の飼い方に問題があるのか、全ての中脚および後脚の先から壊死が進行し(原因不明)、自分で食い切った結果、移動などがきわめて不自由な体になってしまいました。
この日も上手く歩けないのに落ち着かないので卓上で遊ばせていたら、転んで自力では起き上がれないままもがいていました。
ちょっと目を離すと横たわったままPCモニターの陰に少しだけ卵鞘を産み付け始めていました。
(一瞬、白いガムがこびり付いているのかと誤認。)
そこでは観察に都合が悪いので、慌てていつもの止り木(斜めに立てた割り箸)に戻しました(逆さまにぶら下がる姿勢が落ち着くらしい)。
ネット検索で調べてみると、ウスバカマキリの卵鞘は野外では石の表面に見つかることが多いそうです(例1、例2)。
準備しておいた適当な石を辺りに数個並べて置いてみたものの、安定した産卵姿勢を取れないことから結局あまり気に入らなかったようです。
すべすべした石の上に乗せてやってもすぐに滑落してしまうのです。
割り箸では産卵基質として不本意なのかもしれませんが、しばらくすると(諦めて?)そのまま一から卵鞘を泡立て始めました。
今回は静止画のインターバル撮影ではなく、動画モードで側面から長撮りしたものを15倍速の早回しにしました。
卵鞘作りの進行とともに少しずつ前に体をずらしていきます。
しかし脚の跗節(爪先)が全て失われているので弱った脚力ではずり落ち易く、ほぼ鎌だけで体重を支えているものの姿勢保持に苦労しています。
♀の負担を軽くするため斜めの止り木を水平に戻してやるか悩みました。
しかし下手に邪魔して中絶されても困るので、そのまま見守ることにしました。
途中までは順調でしたが、残念ながら最後の仕上げは形が歪になってしまいました。
(後半部が下に垂れ奇妙なオブジェに。)
止り木の先端近くで産み始めたことから、それ以上前に進めなくなったためだと思われます。
約1時間で完成、不自由な体でお疲れ様でした。
不恰好でもなんとか卵鞘が完成し、希少なウスバカマキリの次世代を残してやることができて私も少し肩の荷が下りました。
【追記1】
残念ながら、この気の毒なウスバカマキリ♀はなぜか産後の肥立ちが悪く体調が更に悪化し、嘔吐を繰り返すようになりました。
卵鞘一個を産んだだけで間もなく死亡しました†。
生前あまりにもカマキリの体調が悪いので、ハリガネムシの体内寄生を疑いました。
私は未だハリガネムシの実物を見たことはないのですが、こちらの動画を参考に、私のウスバカマキリ♀の腹部をしばらく水に浸してみました。
しかし検査の結果は陰性でした。
水責めされたことで生命の危険を感じたのか、その翌日に上記の卵鞘を作りました(遺作)。
【追記2】
翌年まで室内に置いていても、この卵鞘から幼虫は孵化してきませんでした。
未受精卵だったようです。
飼育した♀は採集時に交尾を済ませていなかったのでしょう。
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