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キアシナガバチの巣を襲うヒメスズメバチの個体標識
2009年9月上旬
キアシナガバチ(Polistes rothneyi)の巣を繰り返し襲うヒメスズメバチ(Vespa ducalis pulchra)は同時に二匹以上は来ませんが、実際は何匹来ているのか気になりました。
アシナガバチの巣に餌場マークフェロモンを塗りつけて、同じヒメスズメバチの巣の仲間を呼び寄せているかもしれません。
4回目の襲撃中にヒメスズメバチの背中に個体識別のマーキングを施すことにしました。
初めは生け捕りにして麻酔下で作業しようかと思いました。
しかし捕獲する方がむしろ危険な気がしたので、思い切って夢中で獲物を咀嚼しているヒメスズメバチに直接油性ペン(白)で標識しました。
ヒメスズメバチはスズメバチの中でも攻撃性がそれ程高くないと言われています。
胸部の標識には成功したものの、腹部に少しでも触れると露骨に嫌がったので止めました。
このヒメスズメバチ(白)が飛び去ってからも監視を続けると、蛹が無くなるまでの襲撃(5~7回目)は全て同一個体によるものでした。
入れ替わり立ち代り別個体が襲撃するのではないようです。
巣の仲間に狩場の在り処を知らせて協力するミツバチのような伝達能力は無いのでしょう。
単独攻撃でもアシナガバチを制圧できるので、コミュニケーションの必要が無いのかもしれません。
この日は興奮して動画を撮りまくったので、最後はメモリーカードの容量が足りなくなりました。
つづく→シリーズ#30
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