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ヒメベッコウ♀の育房閉鎖2
2009年6月下旬
(承前)
ヒメクモバチ♀(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)は曲げた腹端を左官作業の鏝代わりに使い、小刻みに叩きつけるようにして泥巣の表面をならします。
やがて作業時間が約30秒と短くなり、新しい工程に入りました。
外出すると泥団子を咥えて戻って来るようになりました。
巣材の再利用では足りなくなったのだろう。
巣材採集地や水飲み場の位置は結局突き止められませんでした。
往復時間が短いので、ごく近い所にあるはずです。
帰巣する時は必ず葉の上から裏側を伝い降りて来ます。
複雑な植生に紛れた巣の位置をどのように記憶し定位しているのか不思議です。
帰巣時に♀蜂が毎回示す探し方および迷い方を眺めていると、蟻のようにフェロモンで印を付けているとは考え難い気がします。
おそらく視覚に頼って記憶しているのだろう。
育房の閉鎖が完了すると♀は満足気に点検し、ススキ葉を伝って巣の辺りを徘徊。
営巣行動を一通り見届けてから同定のため♀を採集し※、泥巣と一緒に持ち帰りました。
昨年の観察経験を生かして充実したフィールドワークが出来ました。
これから育房を解体して中の様子を調べ、蜂の子の飼育に挑みます。
(続編をお楽しみに)
※ ♀の帰巣直後に捕虫網を振ったものの逃げられました。
暫く巣に寄り付かなくなりましたが、諦めずに粘って待ちました。
ようやく戻ったところを御用。
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