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2025/10/27

スギの丸太を調べて飛び去るアカハナカミキリ

 

2024年7月下旬・午後12:30・くもり 

里山で伐採されたスギが山麓の入山口に(ベンチ代わりに?)2本並べて放置されています。 
スギの丸太にアカハナカミキリStictoleptura (Aredolpona) succedanea)が来ていました。 
丸太の側面をせかせかと歩いてから、すぐに飛んで逃げました。 

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:19〜) 
丸太の側面を横向きで歩いていたアカハナカミキリが、上向きになってから翅を広げて飛び立っていました。 
滑落したのではないことが分かります。 

私には外見でアカハナカミキリの性別を見分けられないのですが、おそらく産卵適地を探索していた♀だと思われます。 
産卵シーンを撮り損ねた?
あるいは、♂が交尾相手を待ち伏せしていた可能性もありそうです。 

新カミキリムシハンドブック』を紐解いてアカハナカミキリの産卵習性や寄生植物について調べると、
・♀は、針葉樹の立ち枯れや倒木、切り株などに集まり、亀裂や他の昆虫が空けた脱出孔などに産卵します。 
・幼虫は赤っぽく朽ちた材(褐色腐朽材)を食べて成長します。(p3より引用)

Perplexity AIに相談すると、

確認できる資料によると、アカハナカミキリ(Stictoleptura dichroa)はスギ(Cryptomeria japonica)の倒木にも産卵することがあります

記録・根拠

詳細な観察記録では、本種はマツ科やトウヒ属などの針葉樹の倒木・立ち枯れ木をよく利用し、エゾマツ、アカトドマツ、トウヒ、カラマツ、アカマツ、クロマツなどに加え、スギの倒木でも交尾・産卵行動が観察されることが報告されています。スギは他の針葉樹材と比べてやや乾燥が早く腐朽が進みにくいため、アカハナカミキリが利用するのは伐採後1〜2年程度の材や部分的に腐朽の進んだ倒木が多いと考えられます。roki.main

生息環境と選好傾向

アカハナカミキリは広葉樹でも発生例がありますが、基本的には針葉樹材での繁殖が中心です。温暖地域ではスギ人工林や伐採地に出現し、倒木や伐木の皮下に幼虫が穿入して成長することが知られています。mushi-blog.seesaa+1

したがって、現地でスギ倒木上にメス成虫が歩き回っていたり、産卵動作(腹部を材にあてて押し付ける)が見られる場合、それは実際に産卵活動中である可能性が高いです。

 


アカハナカミキリ(Stictoleptura dichroa)は、典型的なハナカミキリ類(Lepturinae)と同様に、成虫が花上だけでなく、枯木や倒木にも出現します。これには性別によるはっきりした行動分化が見られます。

メスの行動

メス成虫は主に針葉樹(マツ類など)の枯木や倒木に産卵します。かなり古くなって腐朽が進んだ木にも卵を産みつけることがあり、産卵管を使って材内部に1粒ずつ卵を産み込みます。観察例では、倒木上を活発に歩き回り、適地を見つけて腹部先端を押しつけるようにして産卵する様子が報告されています。komoro-diary+2

オスの行動

オスはこのような材にも現れますが、それは交尾相手(メス)を探す目的による場合が多いと考えられています。ハナカミキリ類全般では、オスがメスの発する性フェロモンや行動(産卵活動など)を手がかりに接近し、交尾を試みる習性が知られています。実際に花上や材上で交尾が観察された例もあります。coleoptera.sakura+1

要約

  • 枯木や倒木上のアカハナカミキリのメスは主に産卵目的。

  • 同じ場所のオスは、メスを探すための交尾待機(探索)行動をとることが多い。

  • 結果として、こうした材の周辺は繁殖行動の重要場所(交尾・産卵サイト)として機能しています。


関連記事(12年前の撮影)▶ アカハナカミキリの飛び立ち 


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