2024年5月下旬〜6月上旬
シーン0:5/24・午後12:03・くもり(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
里山の林道でホンドタヌキ♀♂が残した溜め糞場ltrを自動撮影カメラで監視中です。
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギの植林地、画面の奥が雑木林になっています。
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は、ほぼ平坦な地形になっています。
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。
シーン1:5/26・午前7:52・晴れ(@0:04〜)
朝から白毛のタヌキが溜め糞場ltrに来ていて、左向きで脱糞していました。
便秘気味なのか、硬目の立派な固形糞を排泄しました。
後半は健康そうな糞に変わりました。
白毛タヌキ♀は振り返って自分の糞の匂いを嗅いでから、身震いし、そのまま画面の右下へ立ち去りました。
おそらくスギ林に入って行ったようです。
シーン2:5/27・午前8:01・くもり(@0:51〜)
翌朝には珍しく♀♂ペアで登場しました。
まず先行個体の♂が左奥を向いて脱糞中でした。
後ろ姿の肛門がよく見え、大便の健康状態は良好そうです。
尻尾が細く見えるのは、夏毛に換毛中だからでしょうか。
やがて右から後続個体の白毛♀がやって来て合流しました。
このペアは体格差があり、大柄な白毛の個体が♀だと推測しています。
後続の白毛♀は溜め糞場ltrの匂いを嗅いでから、奥を向いて排便開始。
やや軟便でした。
林道の右を向いて気にしています。
その間に先行個体♂が右下へ立ち去りました。
シーン3:5/27・午後19:19・(@1:51〜)
その日の晩に、タヌキが右向きで脱糞していました。
消化の悪い物や腐りかけの物でも食べたのか、液状の下痢便を排泄しています。
振り返って自分の糞の匂いを嗅ぐと、林道脇のミズナラ灌木の下に佇んで林道の左を凝視しています。
シーン4:5/27・午後19:21・(@2:51〜)
これが今回一押しの興味深い動画です。
排便直後の新鮮なタヌキの溜め糞に小さな昆虫が動いていました。
やがて左にヒラヒラと飛び去ったのは、夜行性の蛾(種名不詳)でした。
翅の鱗粉や複眼が暗視カメラの赤外線を反射していたようです。
糞便臭に誘引された夜蛾が口吻を伸ばして下痢便からナトリウムやアンモニアなどのミネラル成分を摂取していたのでしょう。
夜蛾がタヌキの溜め糞場ltrから飛び去るシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:12〜)。
シーン5:5/31・午後19:48(@3:33〜)
4日後の晩にタヌキが左向きで脱糞中でした。
排便中にキューン♪と甲高く寂しげに鳴きました。(@3:44〜)
黒い糞の健康状態は良好なので、便秘による苦悶の声とは思えません。
パートナーを呼ぶ鳴き声なのでしょうか。
我々はどうしてもタヌキの鳴き声を「寂しげ」などと勝手に感情移入したり擬人化してしまいがちです。
用を足したタヌキは、林道を右へ立ち去りながら、もう一度クゥーン♪と鳴きました。
シーン6:6/2・午後16:02(@4:00〜)
2日後の雨が激しく降る午後に、白毛のタヌキ♀が左向きで脱糞していました。
白い毛皮が雨で濡れています。
糞の健康状態は良好そうです。
振り返って自分の新鮮な糞の匂いを嗅ぐと、手前のスギ林へと立ち去りました。
つづく→
0 件のコメント:
コメントを投稿