2023年11月下旬・午後22:35頃・
休耕地(枯野)でニホンアナグマ(Meles anakuma)の越冬用営巣地をローアングルの至近距離からトレイルカメラで見張ってみました。
すると早速、夜霧の立ち込める晩にアナグマが登場しました。
おそらく出巣直後と思われるアナグマが、地面の匂いを嗅ぎながらカメラに近寄って来ました。
野生のニホンアナグマをこれほど超至近距離から撮影できたのは初めてです。
左右の目の大きさは同じ個体でした。
つまり、顔馴染みの母親♀(右目<左目)ではありません。
遂にトレイルカメラの存在に気づくと、鼻を近づけて匂いを嗅ぎまくります。
アナグマの顔がレンズに近づき過ぎて、何が写っているのか分からくなりました。
やがてアナグマがカメラをひっくり返したようで、地面の枯草しか写らなくなりました。
コンクリートブロックの重りにカメラをベルトでしっかり固定してなかったら、アナグマに持ち去られたかもしれません。
その後もアナグマは、邪魔なコンクリートブロックをぐいぐい押しているようです。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
※ アナグマが立てる物音や鼻息が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
【考察】
せっかくトレイルカメラの設置場所を新しく試してみたのですが、1回の試行で駄目だと分かりました。
まず第一に、毎晩気温が下がると霧が発生し、朝になっても夜露で下草(枯草)がびっしょり濡れる環境でした。
地面にローアングルで設置したトレイルカメラのレンズが結露して、なかなか乾かないために、鮮明な映像がほとんど撮れずにフラストレーションがたまります。
レンズの結露を自動的に拭いてくれるワイパーが欲しくなります。
もう一つの問題は、設置場所がアナグマの巣穴に近すぎて露骨に警戒されたことです。
興味津々でカメラの匂いを嗅ぐアナグマの迫力ある映像が至近距離で撮れたところまでは良かったのですが、トレイルカメラを乱暴にひっくり返されてしまいました。
重りとしてコンクリートブロックにくくりつけておいたので、幸いカメラをどこかに持ち去られずに済みました。
カメラを壊されることもありませんでした。
アナグマにストレスを与えてしまっては元も子もないので、早々に監視カメラおよびコンクリートブロックを撤収し、元の設置場所(営巣地を遠くから見下ろす樹上)に戻しました。
巣穴の横に見つけた溜め糞場に通ってくるのがアナグマなのかタヌキなのか、トレイルカメラで確かめたかったのですが、それは不可能になりました。
やや遠くから営巣地全体を旧機種のトレイルカメラで監視するとなると、赤外線が弱くて溜め糞場まで届かないのです。
センサーで点灯する赤外線投光器を別に買い足せば解決するかもしれません。
トレイルカメラは設置してしまえばあとは「果報は寝て待て」(あとは野となれ山となれ)というお気楽な撮影法ですけど、それでも野生動物との知恵比べや試行錯誤が必要になります。
つづく→
0 件のコメント:
コメントを投稿