2023年9月上旬・午後14:50頃・くもり
川沿いの堤防路の草むらでスズメバチに酷似した見慣れないハエを見つけました。
初めはアップルミントの群落に居たのですが、訪花シーンを撮り損ねました。
惚れ惚れするほど見事なベイツ型擬態で、かなりレベルが高いです。
虫に詳しくない人が見たら間違いなく騙されて、恐れおののくでしょう。
しかし体長はスズメバチよりも小さいです。
私は触角や口器の形状からメバエ科の一種だろうと予想しました。
擬態のモデルはおそらくコガタスズメバチ(Vespa analis insularis)でしょう。
撮れた写真で画像検索(Google Lens)してみると、どうやらヤマトクチブトメバエ(Leopoldius japonicus)と判明しました。
やや珍しい種類らしいのですが、山形県ではレッドデータブックに登録されていません(絶滅危惧種というほどの希少種ではない)。
撮影地点は平地(郊外)の堤防路で、大して自然度は高くありません。
ススキやヨシ、クズなどに混じってニセアカシア、セイタカアワダチソウやオオブタクサなどの外来植物が繁茂するような環境です。
ヤマトクチブトミバエの寄主と思われるツチバチ類は多数見かけます。
次のシーンでオオブタクサの葉から急に飛び立ったヤマトクチブトミバエを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:31〜0:39)、同種の別個体が飛来した途端にまるで迎撃するように葉から飛び立っていました。
私はメバエの性別を形態的に見分ける方法を知りませんが、行動を見る限りでは、♂が縄張りを張って交尾相手の♀を待ち伏せしていたように見えます。
ライバル♂を追い払ったのかもしれません。(縄張り占有行動?)
あるいは寄主のツチバチが蜜源植物に来るのを♀が待ち伏せしていたという可能性も考えられます。
(別個体を追い払ったのは誤認?)
オオブタクサの葉に止まり直すと、口吻の根元を少しだけ動かして角度を変えました。
ヤマトクチブトミバエが葉から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:50〜)
葉に着地した直後は翅を半開きにしていたヤマトクチブトミバエは、しばらくすると翅をしっかり閉じました。
風が吹いて葉が揺れるので、ときどき足を踏み変えてバランスを保っています。
止まり木で縄張りを張るトンボと違い、葉上のヤマトクチブトミバエは上空の飛翔体を分かりやすく複眼で追うことはしないので、どちらに飛ぶのか予測不能です。
やがて、しっかり閉じていた翅を急に半開きに戻しました。(迎撃態勢?)
後半はなかなか飛んでくれないので、痺れを切らした私がメバエの目の前で手足を振ったり物を投げつけたりして、強引に飛び立たせました。
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外来植物のオオブタクサについて
最近になって川沿いのこのエリア限定で草丈の高い見慣れない植物の群落が急激に増え始め、気になっていました。
今回ヤマトクチブトメバエが葉に止まっていたのをきっかけに名前を調べてみると、悪名高い外来植物のオオブタクサと知りました。
風媒花で大量の花粉を撒き散らすので、花粉症の原因のひとつとされています。
この堤防路では、古参の外来植物であるセイタカアワダチソウの群落を駆逐しつつある勢いです。
メジャーな外来植物なのに、これまでどうして私の目に留まらなかったのか、逆に不思議です。
幸い他のエリアでは見たことがありません。
記憶を探っても、子供の頃にオオブタクサを見たことがあるような、ないような、自分でもはっきりしません。
(旅先で見かけたのかもしれません。)
近年になって当地に侵入し、分布を急速に広げているのでしょうか?
それとも駆除根絶に一度は成功した後に再侵入したのかな?
オオブタクサの写真を撮ったのですが、連日の猛暑と雨不足のため、特徴的な形をした葉がすべてだらんと萎れていました。
また機会があったら撮り直します。
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