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2024/06/13

夜の水場に飛来するコウモリに狩られないよう必死で逃げ惑う蛾ほか【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月中旬〜下旬 

山中で湧き水が溜まった泉に自動センサーカメラを設置すると、夜な夜なコウモリが飛来します。 
コウモリが飛びながら一瞬だけ着水するのですが、このとき水を飲んでいるのか水浴びしているのか突き止めたくて、しつこく撮影しています。 


シーン0:8/19・午後13:32(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
池から溢れた水は画面の奥に向かって流れ、沢の源流となります。 


シーン1:8/19・午後20:21(@0:03〜) 
晩になると、レンズに覆いかぶさるようにザトウムシの一種がうろついています。 
細長い歩脚が至近距離で動くと目障りです。
奥の森から飛来したコウモリは、このザトウムシを獲物として狩ろうとしませんでした。 
低空で飛びながら池に一瞬だけ着水すると、急旋回して何度も着水を繰り返してから森に戻ります。 
着水の度に泉の水面には波紋が広がります。 

コウモリが飛びながら超音波を発したはずなのに(エコロケーション)、ザトウムシは全く逃げませんでした。(緊急逃避行動なし) 


シーン2:8/19・午後20:31(@0:49〜) 
画面の下端に注目してください。 
池の中の落枝に小型のキリギリス?カマドウマ?がよじ登りました。 
次に飛来するコウモリはこれを獲物として狩るかと期待したのですが、いつの間にか居なくなっていました。 
この位置の虫を狙ってコウモリが飛びながら狩ろうとすると、池畔の崖に激突しそうというリスクがあるのかもしれません。 


シーン3:8/22・午後19:43(@1:06〜) 
今回の記事で一番の目玉となるのは、このシーンです。 
3日後の晩に、コウモリがいつものように水場に飛来すると、珍しく虫が慌てて逃げ惑いました。
こんなシーンをこれまで撮れたことがありません。

1/3倍速のスローモーションでリプレイすると、よく分かります。(@1:09〜) 
奥から手前に向かって飛んでくるコウモリの前を、不規則なジグザグ高速飛翔で夜蛾が必死で逃げていたのです。 
夜蛾はなんとかコウモリに狩られずに逃げ延びました。 
このときコウモリは珍しく着水せずに急旋回したので、たまたまコウモリの飛行ルートに夜蛾が迷い込んでしまったというよりも、コウモリは夜蛾を狩ろうと追いかけていたように思います。 

夜行性の蛾にとって最大の天敵はコウモリです。 
エコロケーションの超音波を感知すると、捕食されないように飛翔パターンを急激に変えたり、ジャミング(妨害)する超音波を自ら発する蛾もいるのだそうです。 
体表がコウモリの超音波を反射しにくいように進化した虫もいるそうです。(ステルス擬態)
超音波を使った熾烈な軍拡競争が夜な夜な繰り広げられているのです。



続けて、手前のレンズ付近をガガンボが慌てたように右から左へ飛んで横切りました。 
高速で飛来するコウモリの超音波を感知して、ガガンボが逃げ惑っているのでしょうか? 
ガガンボの飛び方は、元からこんな感じかもしれません。 

この水場に飛来したコウモリが見事に獲物を狩った決定的瞬間を撮れたことが一度もありません。
旧機種のトレイルカメラはフレームレートが15fpsしかなくて、低過ぎる(太刀打ちできない)ようです。
そもそもコウモリが飛びながら夜行性昆虫を追いかけるシーンが撮れたのも今回が初めてです。
コウモリは狩りが目的でこの水場に飛来している訳ではないという印象を受けています。

我々ヒトの耳にはコウモリのエコロケーションを全く聞き取れませんが、バットディテクターという電子機器で超音波を可聴域に変換することが可能です。 
トレイルカメラとバットディテクターを組み合わせてコウモリの捕食行動を記録してみたいのですが、なかなか実現できていません。 
飛翔時のエコロケーションを声紋解析するだけで、コウモリの種類が同定できる可能性がある点が魅力的です。 
コウモリが狩りモードになると、独特のエコロケーションに切り替わるはずです。

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