2023年9月中旬・午後15:30頃・晴れ
田園地帯の砂利が敷かれた農道の水溜まり付近に4頭のキタキチョウ♂(Eurema mandarina)が集まって吸水していました。
キタキチョウの飲水シーンは初見です。
砂利道で半乾きの泥から水を飲んでいました。
体は静止していても、伸ばした口吻をしなやかに動かしてあちこちの地面を探っています。
着陸時はいつも翅をしっかり閉じているので、横風が吹くと翅が煽られてしまいます。
地面のあちこちで味見をしてはすぐに飛び立ち、忙しなく移動しながら泥水を啜っています。
なかなかじっくり撮影させてもらえません。
吸水シーンの後ろ姿も何気なく撮っていたら、閉じた翅で隠された腹端から透明な液体をポタリと排泄していました。
シロチョウ科で排泄シーンを観察できたのは初めてです。
腹端から透明なおしっこを放出した瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:25〜2:47)
真横から撮った動画には残念ながら排尿シーンが写ってませんでした。
セセリチョウ科のような吸い戻し行動ではなく、むしろアゲハチョウ科の吸水・排尿に近いです。
泥に含まれる微量なミネラル成分を必要なだけ摂取するためには大量の水を飲む必要があり、余分な水分をどんどん排泄しているのでしょう。
大量に飲んだ水で体を冷やす効果もありそうです。(水冷式冷却)
私にはキタキチョウの性別を形態的に見分けられませんが、吸水という行動から全て♂としておきます。
(キタキチョウの)♂は湿った場所や川原などで好んで吸水し、時に集団も見られ、獣糞にも集まる。(フィールドガイド『日本のチョウ』p75より引用)
吸水後に飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:57〜) 、羽ばたいた際にちらっと見えた翅表の黒斑から、夏型♂と判明。
ここの泥に含まれるミネラル成分が薄いのでしょうか。
なぜ集団吸水する蝶の群れが形成されるのでしょうか?
先客がいれば、ミネラル成分の濃度が高い地点を探してあちこち味見する手間が省けます。
群れになることで捕食者に襲われる確率が下がりますし、周囲を警戒する目も増えます。
キタキチョウの標本や黄色の紙片を水溜まり周辺に置いておくだけでキタキチョウが集まるかどうか、いつか実験してみたいものです。
※ 編集ミスで動画の一部を消音してしまいました。
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