2023年9月上旬・午後12:40頃・晴れ
平地のスギ防風林で風倒木の横にホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phを定点観察しています。
この日はタヌキの新鮮な糞塊が追加されていました。
丸呑みにした果実(液果)の種子が未消化のまま糞と一緒に大量に排泄されていました。
なんとなくウワミズザクラの種子かな?と予想したのですが、真面目に糞分析をして種子散布を調べる余力がありません。
久しぶりに大雨が降った後のスギ林内は蒸し暑いものの、食糞性の様々な虫たちが生き生きと活動していました。
ザトウムシの仲間が林床を徘徊中に溜め糞場を横切るシーンは、これまで何度も見てきました。
ところが今回見つけたザトウムシは、溜め糞上に居座って黒い糞塊に口を付けていました。
おそらくモエギザトウムシ(Leiobunum japonicum)だと思うのですけど、どうでしょうか?
ザトウムシが食糞するとは知らず、とても驚きました。
獲物を体外消化するクモと違って、ザトウムシは固形物を咀嚼・嚥下して体内消化できることになります。
溜め糞場ph周辺の林床では、多数のモエギザトウムシ♀♂が配偶行動を盛んに繰り広げていました。(映像公開予定)
どうやら彼らの繁殖期のようです。
ザトウムシの食糞行動は繁殖期限定の食性なのでしょうか?
鱗翅目のように、性成熟に必要なミネラル成分を汚物から摂取しているのかな?
それとも、獣糞に群がる微小なダニなどを捕食しているのでしょうか?
あいにくマクロレンズを持ってこなかったので、肝心の口器の動きを接写できませんでした。
口元で触肢が動いたのは見えました。
最長の第2歩脚をゆっくり動かして、触角のように辺りを探っています。
私が下手に近づくと、モエギザトウムシは警戒して逃げてしまいます。
仕方がないので、望遠マクロで撮影しました。
ザトウムシの他には、ニクバエ、キンバエ、ワラジムシ、アリ、シデムシ幼虫などがタヌキの溜め糞場phに群がっていました。
溜め糞上をモエギザトウムシが歩き始めると、飛び回るハエが細長い歩脚にぶつかりました。
飛び回るキンバエが何度もぶつかってザトウムシを追い払ったようにも見えます。
ハエの卵や幼虫(ウジ虫)がザトウムシに捕食されないように、ハエの成虫が守っている(ガード)しているとしたら大発見ですが、ただの偶然かな…?
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