2023年7月下旬・午前11:55頃・晴れ
おそらくエゾミドリシジミ♂(Favonius jezoensis)と思われるゼフィルスが地上から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画を何度も撮影していると、凄いスクープ映像が撮れました。
里山の山道に翅をしっかり閉じた状態で止まり、ミネラル成分を摂取しています。
横を向いてくれたので翅裏がしっかり見えたのですけど、右後翅の尾状突起などあちこちが損傷しています。
この映像では口吻を伸ばしていないように見えますが、土下座のように頭を上下させています。
長い口吻をだらんと伸ばしたまま引きずるように右回りで方向転換したので、口吻は体の左側(カメラの死角)の地面を舐めているのです。
しばらくすると、ゼフィルスの背後から何者かが高速で飛来しました。(@1:12〜)
そのままエゾミドリシジミ♂に体当たりで襲いかかり、獲物を抱え込もうとしましたが、蝶は間一髪で逃げました。
更に1/5倍速のスローモーションでリプレイしても、捕食者の奇襲が速すぎてぼやけてしまっています。
捕食者の正体は、ムシヒキアブ科の一種ではないかと思います。
日本に蝶の成虫を狩る狩蜂がいるのかどうか、私は聞いたことがありません。 (蛾の成虫を狩る狩蜂はいるそうです。)
狩りに失敗したムシヒキアブは、着地せずにそのまま飛び去りました。
背後から不意打ちされたのに、ゼフィルスは力強く羽ばたいて素早く飛び去り、逃げました。 (緊急逃避行動)
これほど反射神経が優れているとは驚きです。
損傷の多いゼフィルスの翅は、天敵から逃げ延び続けている歴戦の兵 であることを物語っています。
エゾミドリシジミ♂が羽ばたくと、翅表の鱗粉がエメラルドグリーンの金属光沢に輝きます。(構造色)
今回は狩りに失敗したものの、ムシヒキアブが狩りをする瞬間を観察できたのは初めてです。
こんな奇跡の決定的瞬間は、フィールドで狙って撮れるものではありません。
愚直にハイスピード動画をひたすら撮りまくると、ごくたまに偶然のご褒美(僥倖)がもらえます。
デジカメの民生機でハイスピード動画の性能が240fpsで止まったまま、ここ何年も停滞しています。
もっとフレームレートの高いスーパースローの映像で様々な生き物の行動を撮りたいのですが、何か技術的なブレークスルーが必要なのでしょうか?
市場にニーズが無いと思われているのかな?
カメラのメーカーにはスマホに負けず頑張って欲しいです。
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