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2024/03/25

アナグマが転出した後の巣穴に出入りする野ネズミ同士が縄張り争い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月上旬 

二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が子育てをしてから引っ越した空き巣に最近ではホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が住み着いています。 
アナグマもときどき戻ってきては巣穴のメンテナンスしているようです。
つまり、現時点では誰が所有する巣穴なのか流動的な状態です。
トレイルカメラに写る野ネズミ(ノネズミ)の探餌行動をまとめました。
巣穴の主であるアナグマが引っ越した後で野ネズミが堂々と巣穴に出入りする頻度が増えるかと予想したのですが、そんな単純な2種間の問題ではないので難しいです。 


シーン0:6/29・午後13:28・気温27℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
右奥の巣穴Rと左手前の巣穴Lの2つがあります。 


シーン1:7/2・午後20:06・気温23℃(@0:04〜) 
ある晩に2つの巣穴LRの中間地点を野ネズミがうろついてから、奥の巣穴Rに入りました。 

その間、ザトウムシの一種が監視カメラのレンズ上を這い回っています。 
夏の時期はザトウムシのせいで監視対象の野生動物がしっかり撮れないことが多いので、何か対策する必要がありそうです。 
忌避剤を使いたくなりますが、その異臭で嗅覚の鋭い哺乳類が警戒したり来なくなったら元も子もありません。
トレイルカメラに近づけないように何か物理的なバリアを設置するしかなさそうです。


シーン2:7/3・午前2:42・気温20℃(@0:50〜) 
日付が変わった深夜未明に野ネズミが再び現れました。 
画面の右下に姿を消したということは、手前の巣穴Lに入ったのかもしれません。 


シーン3:7/3・午後20:31・気温21℃(@1:09〜) 
野ネズミは夜行性なので、昼間は出没しません。 
次に登場したのは、すっかり暗くなった晩でした。 
今回は珍しく2匹が同時に写っていました。 

まず1匹目の個体aがアナグマの旧営巣地(セット)を徘徊してから、奥の林縁で灌木の根本に立ち止まって何かしています。 
採食なのか毛繕いなのか、やや遠くてよく見えません。 
その辺りには有毒植物のナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)という小低木の群落があり、この時期には赤い実がなっています。
まさか野ネズミはナニワズの熟果を食べに来たのかな?
殺鼠剤の原料として使われるクマリンと似た構造の有毒成分を含んでいるそうです。
監視カメラに写る野ネズミの数が一時期よりも減ったのは、テンやフクロウなど捕食者の活動が盛んになったからだと思っていたのですが、もしかしてナニワズの実を食べて死んでしまったからなのでしょうか?
普通に考えれば、野ネズミは有毒植物ナニワズを忌避するように進化するはずです。
ドブネズミやクマネズミでは殺鼠剤に対する薬剤抵抗性を獲得した個体(スーパーラット)の存在が報告されています。
当地の野ネズミもナニワズへの耐性をつけたとしたら面白い話です。

しばらくすると、右奥の巣穴Rから野ネズミの別個体bが外に出て来ました。(赤丸@1:52〜)
bが左へ行って灌木の背後に回り込む間、aは油断していてbの存在に全く気づいていないようです。 
縄張り争いの追いかけっこが始まった途端に、残念ながら1分間の録画時間が終了してしまいました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:13〜)、背後から奇襲されたaは驚いて大きく跳んで逃げ出していました。 



シーン4:7/4・午前0:29・気温19℃(@2:24〜) 
日付が変わった真夜中に現れた野ネズミは、餌を探し歩いて右から左へ横切りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




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