2023年5月中旬・午後
トレイルカメラの電池を交換するために、ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地(セット)にやって来ました。
繁殖期なので子育て中の♀を刺激しないように、なるべく訪問頻度を下げています。
セットの広場には足を踏み込れないようにしています。
動画を撮りながら巣口Rの近くに忍び寄ると、実際には2つ以上の穴が横に並んでいました。
巣口Lの近くにも回り込んでズームインしてみました。
アナグマが巣口から顔を出して警戒することはありませんでした。
アナグマ関連の本を読むと、巣穴の近くに溜め糞場を作るのだそうです。
アナグマも「ためフン」をする。そうはいっても、タヌキのもののように、家族が何日もかけて積み上げたものではなく、規模は小さい。それはふつうに「トイレ」といっていいほどで、巣穴の近くの、ざっくりと斜面をひとかきしたような穴の中に3〜5本してある。(熊谷さとし『身近に体験!日本の野生動物(2)タヌキを調べよう』p25より引用)
セットの横を探すと、灌木の根元を数カ所、浅く掘っていました。
アナグマのトイレ(溜め糞場)にしては、糞が全く残っていません。
餌となるミミズを捕食するために掘った穴ではないかと思います。
あるいは新しい巣穴を掘ろうとして、木の根っこなどに阻まれてしまったのかもしれません。
木漏れ日が小さいので、林冠は木の葉でほとんど塞がれていることが分かります。
実際にカメラを上に向けて林冠の様子を撮ればよかったですね。
晴れた午後でも林床はほぼ日陰になっています。
巣穴の周囲にはマルバゴマギの細くてねじくれた灌木がヒョロヒョロと生えています。
その生育が悪いのは冬の雪圧のせいだと思っていたのですが、夏も日当たりが悪くてあまり光合成できないと分かってきました。
地中にアナグマの巣穴がありますから、根っこが常に痛めつけられている悪影響もありそうです。
台風の大風や落雷など何らかの理由で近くの大木が倒れて林冠ギャップができれば、日当たりが良くなり、生育が良くなるはずです。
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