2022年12月上旬・午前11:40頃・晴れ
初雪が降った翌日に里山で急坂の山道を登ると、道端の枝間に張られたジョロウグモ♀(Nephila clavata)の垂直円網に霜が付着して真っ白に光っていました。
網の主であるジョロウグモ♀は中央の甑 に占座したまま、だらりと力なくぶら下がっていました。
私が指で触れても全くの無反応です。
前日の初雪で凍死したようです。
初冬になるともう網にかかる獲物がほとんどいませんから、卵嚢を産めるだけ産んで天寿を全うしたのでしょう。
捕虫網を構成する糸の1本1本が白い霜をまとい、馬蹄形垂直円網の構造が見事に可視化されています。
クモの網の構造を観察するために霧吹きで水滴を噴霧するテクニックがあるのですが、自然な霜の美しさには叶いません。
あえて逆光で撮ってもフォトジェニックです。
美しい芸術作品に昇華されました。
暖かな日差しに照らされて気温が上がると、網に付着した霜はじきに溶けてしまうでしょう。
ギリギリのタイミングで「ある女郎蜘蛛の死」を劇的(フォトジェニック)に撮れたことになります。
ジョロウグモの網が微風で揺れていて、霜が付いても網全体の柔軟性は保たれていることが分かります。
極寒の条件ではクモの網全体が凍結して脆くなり、パリパリと壊れたりするのでしょうか?
(例えば液体窒素に漬けるとどうなる?)
霜によって横糸の粘着性は失われているかと思いきや、アカマツなどの落ち葉が少し網に付着していました。
この後、野鳥がジョロウグモ♀の死骸を見つけて捕食するのでしょうか?
トレイルカメラを設置すれば決定的瞬間が撮れたかもしれません。
ちなみに、この日下山すると平地でもジョロウグモ♀が円網で凍死していました。(映像なし)
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