2022年11月中旬・午後15:51および15:58:頃・気温6℃
3回目のクルミ給餌をしてからわずか約4時間半後、野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが通りかかりました。
この地点で猿がトレイルカメラに写ったのは初めてです。
落ち葉の積もった斜面を駆け下りて、泥汚れの付いたカラマツの横を通り過ぎました。
カラマツ根元に置いたクルミには気づきませんでした。
約5分後、♂らしきニホンザルが右から左に足早に歩いて監視カメラの目の前を横切りました。
この個体も餌場のクルミには気づかず素通りしました。
一瞬の登場シーンを、まずは1/3倍速のスローモーションでご覧ください。
続けて等倍速でリプレイ。
しばらくすると、また別の個体が雑木林の斜面を駆け下りて来ました。
カラマツの右を通り過ぎ、ローアングルで設置したカメラの存在に気づくと減速し、まっしぐらに歩いて来ました。
好奇心旺盛の個体で、顔を近づけてレンズを覗き込みました。
頬袋に溜め込んだ餌を咀嚼しています。
こんな迫力満点の映像が撮れたのは、無人カメラならではです。
トレイルカメラが猿に壊されたり悪戯されたり、持ち去られたりするんじゃないか…という心配は杞憂でした。
カメラに興味を失ったニホンザルが左に歩き去ろうとして、立ち止まりました。
後ろ姿の尻や股間を見る限り、若い♀個体のようです。
給餌場に置かれた大量のクルミに気づきました。
残念ながら後ろ姿で見えませんが、右手を使ってガラガラ♪とクルミの山を崩したようです。
餌場の下にオニグルミ堅果が散乱しました。
悪戯好きの猿は画面の左端に座り込み、頬袋に溜め込んだ餌をもぐもぐと咀嚼しています。
私は未だ実際に観察したことがないのですけど、ニホンザル成獣の一部はオニグルミの堅い殻も歯で力任せに噛み割って中身を食べることができるようになるそうです。
しかし、この若い個体は顎の筋肉が非力なのか、クルミ堅果の食べ方を知らないのか、そもそも餌だと認識していないようです。(ただの石ころだと思った?)
関連記事(約2週間前の撮影)▶ 若いニホンザルはオニグルミの落果を拾って皮を剥いても硬い殻を割れない【種子散布】もしかすると、当地のニホンザル個体群にはオニグルミの殻を割って食べる食文化が伝播していないのかもしれません。
この若いニホンザル♀は最後に右手で頭を掻いてから立ち上がり、左へ遊動しました。
せっかくきれいに並べて置いたクルミの山を崩されたのはビックリしましたが、ニホンザルの好奇心による無報酬の種子散布を目の当たりにして興味深く思いました。
※ 動画編集時に一部の音声を正規化して音量を強制的に上げています。
もしもニホンザル成獣が給餌場に置かれたクルミを見つけたら殻を割って採食するかどうか、興味深いところです。
しかし、残念ながら二度と現れませんでした。
ニホンザルは広い山域を群れで遊動しますが、山腹を斜行する山道(廃道)をショートカットする個体しかこの現場を通りかからないのです。
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