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2023/02/07

地中に巣を掘り土塊を外に捨てるモンスズメバチ♀

 

2022年6月中旬・午前11:00〜11:40頃・晴れ 

芝生に覆われた河川敷にブタナの黄色い花が咲き乱れていました。 
ブタナの根出葉の横の地面に小さな穴が開いていて、そこにモンスズメバチ♀(Vespa crabro)が出入りしていました。
蜂が飛ぶとブーン♪という羽音がかすかに聞こえます。 

よく観察すると、出巣の際に大顎に土塊を咥えていました。 
地下にトンネルを掘った土をせっせと外に捨てに行くのです。 
トンネルを拡張した空間にパルプで育房と外皮を作るのです。
モンスズメバチ♀が巣内から搬出するのはルーズな土塊で、ドロバチが巣材として運ぶ水を含んだ泥玉とは違います。 
この点ではむしろオオハキリバチ♀の採土と似てるかもしれません。

関連記事(13年前の撮影:地中営巣性のオオスズメバチが巣穴から不要な土塊を捨てに行く映像)▶ オオスズメバチの巣に御用心(刺傷例) 
出巣した蜂は飛びながら空中で土塊を捨てる(撒き散らす?)はずですけど、その決定的瞬間は撮ることができませんでした。 
帰巣する蜂は空荷でした。 
2〜3匹の♀が続けて出巣したり帰巣したりすることから、個体識別をしなくても、創設女王の単独営巣期を過ぎて複数のワーカーが羽化済みと分かりました。 

巣口の周囲を調べると、モンスズメバチの創設女王は、どうやら野ネズミが掘った古巣やトンネルを再利用したようです。
ただし、野ネズミの古いトンネルからモンスズメバチ♀が出入りするのを一度も見ていないので、2つの穴はつながっていないと今のところは考えています。




巣口の右下に野ネズミの古巣跡

野ネズミの古いトンネルとモンスズメバチの地中巣はつながっているのか?



モンスズメバチが地中に営巣するとは知りませんでした。 
河畔林で治水対策上、樹洞のある古木が目の敵にされて次々と伐採されています。
そのために、モンスズメバチの営巣地不足が深刻なのでしょう。 
帰ってからネット検索しても、地中営巣の情報がヒットしません。 
手元にある図鑑で調べると、私が知らなかっただけで、モンスズメバチが土中に営巣することもあるようです。
(スズメバチの専門書でも、その情報が欠けている本もありました。)
営巣場所:樹洞、土中、家屋の屋根裏、壁間など 
ノート:本種は営巣空間が狭くなると、巣の周辺に引越しを行なう習性をもち合わせている。 (『日本の真社会性ハチ 全種・全亜種生態図鑑』p107より引用)

 

営巣場所は樹洞、屋根裏、土中などの閉鎖空間で、途中で巣を引っ越すことがある。(『スズメバチはなぜ刺すか』p281より引用) 

 

樹洞、屋根裏、土中などの閉鎖空間に鐘型の巣をつくる。(『札幌の昆虫』p337より引用)

巣穴に出入りするモンスズメバチ♀を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみたのですが、私がうっかりカメラの設定を間違えたせいで、スーパースロー映像が撮れていませんでした。

巣口を守る門衛が居るはずなのに、その姿がありません。 
もっとトンネル深くに居るのかな? 
ファイバースコープカメラが欲しくなります。 



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