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2023/01/13

蛹化前に隠れ家を作るアカタテハ終齢幼虫【30倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録:2022年#5 



2022年8月下旬・午前〜午後・室温24℃ 

早朝にアカタテハVanessa indica)終齢幼虫の様子を見ると、巣材の葉を全て食べ尽くし、太い茎に下向きにしがみついていました。 
隣の果穂を食べながら寝落ちしてしまった様子。 
巣材の果穂は食べ残していました。 



やがて目覚めた幼虫は、隣の小葉の葉裏に移動すると、蚕食開始。 
飼育下では風も吹きませんし、天敵どころかアリすらもやって来ない安全な環境です。
過保護に飼育すると、アカタテハ幼虫は油断して巣作りを手抜きするようになるのでしょうか? 
造巣行動を観察するために飼育している私としては、困ってしまいます。 

ようやく隠れ家を作り始めたので、午前9:30頃から微速度撮影で記録開始。 (動画はここから)
30倍速の早回し映像をご覧ください。 
前回よりも少し下の位置で造巣を始めました。 
周囲にあるクサコアカソの葉や果穂に何本も絹糸を架けて引き寄せます。
赤い茎(葉柄)が固いときには、噛み傷を付けて曲げ易く加工します。 
これはトレンチ行動からの転用です。

周囲に糸を粗雑に張り巡らせただけで、しっかりした巣は未完成なのに、アカタテハ幼虫は葉裏で大休止に入りました。 
頭部を上に向けています。 
絹糸腺が枯渇してしまったのでしょうか?
この個体は体内寄生されてるのではないか?という心配が頭をよぎります。 
素人目にはなんとなく、脱皮前または蛹化前のみんに入った気がします。 
この段階ではまだ終齢とは分かっていません。 
無防備な眠の期間にアリが近寄らないように絹糸で結界を張っているのかな? 
飼育環境下ではアリが居ないので、巣を簡素化したのかもしれません。(手抜き工事) 
蛹化するために、それ専用の特別な巣を作ったという訳でもありません。 
野外で見つけるアカタテハの蛹は一般にしっかりした隠れ家の中に潜んでいるからです。 
関連記事(2年前の撮影)▶ 巣の無い無防備なアカタテハ垂蛹の威嚇行動 

福田晴夫、高橋真弓『蝶の生態と観察』によると
 イラクサ科植物を食草とするアカタテハは、幼虫時代に使用して食痕のついた葉(袋状の巣)を出て、新しい巣をつくり、そのなかで蛹化する。 食痕か糞を目当てに寄主や食物を探す天敵に対応した習性であろうか。(p76より引用)



 
 ↑【おまけの映像】 
同じ素材の元々の10倍速映像をブログ限定で公開します。 

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