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2022/08/21

手乗りキバネツノトンボ♀

 

2022年6月中旬・午後13:30頃・小雨 

河川敷の遊歩道に沿って咲いたヒメジョオンの茎の上部にキバネツノトンボ♀(Libelloides ramburi)がしがみついていました。 
(キバネツノトンボは)止まる姿勢も変わっていて、ススキの枯れ枝などにぴったり張り付くように止まる。 (海野和男『シンフォレスト:昆虫の惑星 The Planet of Insects』より引用)
腹端にハサミムシのようなフックが無いので、♀と判明。 
腹端から細い糸でぶら下がっている黒い小塊はキバネツノトンボの糞なのかな? 

静止状態を撮っても動画ブログのネタにならないので、指で翅先にそっと触れてみました。
するとようやく身動きして、ヒメジョオンの茎を登り始めました。 
すぐに飛んで逃げるか、せめて飛翔前の準備運動を始めるかと思いきや、相変わらずおとなしくしています。 
そっと左手ですくい取るようにすると、素直に私の手に乗ってくれました。 
顔は毛深く、黒い毛が密生しています。 
触角の先端は黒い棍棒状。 
黄色と黒の警告色を全身に纏っていますが、私には蜂にベーツ擬態してるとは思えません。 
足の色も黄色と黒のツートンカラーです。 

飛び立つ瞬間を動画で記録するつもりで私がしつこく触れると、ようやく翅を広げてくれました。 
あまりにも不活発なので羽化直後なのかと初めは思ったのですが、翅は伸び切っていて、しかも右前翅の端が欠損していました。 
しかし、その程度の損傷で飛べなくなるはずがありません。
(なんとなく素人目には羽化の直後ではなくだいぶ時間が経っているような気がします。) 
せっかく広げた翅をじきに閉じてしまいました。 
飛び立つ予兆や準備運動が全く見られません。 
私の左手の甲に歩いて移動しても、羽ばたいて逃げる気配がありません。 
小雨がぱらついているから飛びたくないのかな?
私が捕食者なら、この個体はもう餌食となっているでしょう。

キバネツノトンボ♀の扱いに困った私は、仕方なく元のヒメジョオンの茎に戻してやりました。 
従順に乗り換えてくれた際に少しバランスを崩して軽く羽ばたいたものの、すぐに休止体勢に戻りました。
なぜか飛べないキバネツノトンボ♀でも、久しぶりの嬉しい出会いでした。
次は幼虫を観察してみたいものです。

関連記事(6年前の撮影)▶ キバネツノトンボ♀の飛翔準備
    

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