2021年7月中旬・午後16:20頃・晴れ
前回の記事ではとりあえず教科書通りの説明をするために、アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の花で盗蜜行動を繰り返すクロマルハナバチ(Bombus ignitus)のワーカー♀の中でも後脚の花粉籠が空荷の個体を選んで動画にしました。
前回の記事:▶ アベリアの花で穿孔盗蜜するクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】
盗蜜中は花の雄しべに体が全く触れませんから、集粉活動とは両立しません。
ところが、同じアベリアの生垣で採餌するクロマルハナバチ♀の動画を撮りまくると、その中には後脚の花粉籠に少量の白い花粉団子を付けている個体が複数混じっていました。
今回はそんな異例の個体ばかりを集めて動画にしました。
前回帰巣した際に集めた花粉をしっかり育房に掻き落とさなかったのかな?
おそらくクロマルハナバチ♀の中にも体格の個体差があって、小型のワーカー♀はアベリアの狭い花筒に潜り込んで普通に吸蜜できる(正当訪花)はずです。
しかし今回の映像を見る限り、アベリアの花筒に絶対潜り込めないぐらい大きな個体ばかりです。
あるいはアベリアの花筒のサイズにも幅(変異)があって、少数ながらも極太の花筒でクロマルハナバチ♀は正当訪花できたのかもしれません。
また、クロマルハナバチ♀は巣に戻るまでの1回の採餌飛行の途中で(同じ種類の花の群落内で)採餌法を正当訪花⇔盗蜜と切り替えることがあると分かっています。
しかし、今回はアベリアの生垣で正当訪花する個体を一度も見かけませんでした。(単に私が見落としただけかもしれません。)
残る可能性として私が一番有望だと考えているのは、他種の植物に正当訪花して花粉を少し集めてからアベリアの群落に移って来た、という仮説です。
今回の映像を見る限り、アベリアの花筒に絶対潜り込めないぐらい大きな個体ばかりなので、他の植物由来の花粉と考えるのが自然だと思います。
盗蜜しながら花粉団子を運ぶクロマルハナバチ♀個体を捕獲して、花粉籠から採取した花粉を顕微鏡で調べれば、どの植物由来の花粉か検証できそうです。
ただしそのためには、近隣に咲くあらゆる植物の花粉の微細な形状を予め調べておく必要があり、大人の自由研究としてはなかなか大変そうです。
しかも普通の光学顕微鏡ではなく走査型電子顕微鏡が必要となれば、素人には手が出せません。
やってみれば全てアベリアの花粉だったとあっさり判明するかもしれません。
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