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2021/10/28

イエネコ♂に自家製の乾燥マタタビを与えてみると…(その1)

2021年7月中旬 

里山の林縁で蔓植物のマタタビを見つけました。 
杉(スギ)高木の高い枝まで巻き付いて育っていました。 
葉は白い斑入りで、枝には虫えい(虫こぶ)もたくさん付いていました。 
この虫こぶは正式にはマタタビミフクレフシと呼ばれ、果実にマタタビミタマバエ(Pseudasphondylia matatabi)が寄生したことで形成されるのだそうです。 
剪定ばさみで枝葉を採集して持ち帰ります。

採取してきた枝葉をハンガーに吊るして5日間、陰干しにしました。 
枯葉に手で触れると、カサカサ、パリパリと乾いた音がします。 
粉末にするのも面倒なので、そのままイエネコFelis silvestris catus)に与えて反応を見てみましょう。 
被験者は去勢された若い雄猫♂(キジトラ猫)です。 
薄暗い廊下で涼んでいた猫に乾燥マタタビをそっと差し出してみました。 
眩しい照明を点灯すると嫌がり、リラックスした自然なマタタビ反応が撮れなくなってしまいます。 
仕方がないので、昼間でも赤外線の暗視カメラで撮影しました。

 

2021年7月中旬 

飼い猫は一応マタタビを気に入ってくれたようですが、予想よりも薄い反応でした。 
キジトラ猫は少し警戒しながらも、乾燥したマタタビの枯れた葉や虫こぶの匂いを頻りに嗅いでいます。 
パリパリに乾いた枯葉の表面をペロペロ舐めました。 
しかし、フレーメン反応は見られませんでした。 
後で調べてみると、猫のマタタビ反応には個体差があるらしく、必ずしも去勢された♂猫は無反応、という訳でもないらしい。
ネコが期待通り(予想通り)の行動を示さないのは、いつものことです。
少し期間を空けてネコが成長してからもう一度改めて乾燥マタタビを与えてみることにします。 
次は乾燥させずに生のマタタビを与えてみたらどうでしょう? 

つづく→ 


【参考サイト】より引用。
・  獣医師が解説|効かない猫も?またたびの効果・危険性・上手な与え方
またたびはフェロモンを感知する器官を刺激して、興奮を起こします。発情期を迎えていないメス猫や性的に未熟な子猫に与えても、あまり反応を示さないことがあるようです。この興奮が性的興奮であるかはわかっていません。避妊や去勢を行った猫はそもそも発情をしなくなるので、またたびへの反応が薄くなる傾向も。 またたびへの反応は個体差もあるようです。人もお酒を飲んで酔っ払う人とそうでない人がいるように、猫の中にはまたたびに全く興味を示さない猫もいるそうです。 安全性を考慮すると、嗅覚と神経系が十分に成長した生後6ヶ月~1才以降から与えるのがよいでしょう。 与える頻度は多くても1週間に2回までにとどめ、連日与えるのは避けてください。
猫が大好きな「またたび」 正しい与え方と注意点
またたびの木には、正常な実と「虫えい果」と呼ばれる実の2種類がなります。猫が好むとされているのは「虫えい果」で、ハエやアブラムシが実に卵を産み付けることで変形したものです。  またたびによる反応は、猫の上あごにあるヤコブソン器官(フェロモンを感知する器官)を、マタタビラクトンやアクチニジンといった、またたび特有の成分が通ることにより引き起こされます。  成分がヤコブソン器官を通ることにより中枢神経が麻痺するため、猫によっては転げ回ったり走り回ったりといった、陶酔したような姿を見せることがあるのです。  中には、酔っ払った状態に似ていることから依存性を心配する飼い主さんもいらっしゃいますが、一時的なもので依存性はほとんどないとされています。  また、「粉末、液体、実、枝」の順で強度が高いとされています。強度によって適量が変わるため、必ず飼い主さんの方で把握してください。



【追記】

余談ですが、佐々木正己『ニホンミツバチ: 北限のApis cerana』という本を読んでいたら、興味深い記述がありました。

マタタビの匂い(ラクトンの1種)に、それが性フェロモンでもないのにクサカゲロウの♂が強く誘引される (p159より引用)

今後、マタタビの周囲で注意して見てみることにします。 

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