2021年6月上旬・午後15:30頃・晴れ
長靴を履いて、増水した湿地帯を探索してみました。
足首のくるぶし程度の水深でした。
何か面白い生き物はいないかなー?
ドブ臭いので誰も近付こうとしませんが、だからこそブルー・オーシャン(宝の山)かもしれません。
水質はお世辞にも良いとは言えず、ヘドロのような藻が発生しています。
1匹のアメリカザリガニ(Procambarus clarkii)が泥の中に横倒しになってもがいていました。
枯れたヨシの茎に下半身が下敷きになっていて脱出できないようです。
泡を拭いているのは鰓呼吸なのでしょう。
持っていた一脚の先端で枯れヨシ茎を取り除いてやりました。
起き上がっても動きが鈍く、衰弱しているようです。
もう一度つついて横倒しにしても、自力では起き上がれません。
この個体は左側の前脚のハサミが欠損していました。
現場から数十m離れた地点で前脚のハサミだけが水中に落ちていました。
この湿地帯を少し歩き回ると、アメリカザリガニの死骸があちこちに多数散乱していました。
その一部は古いようで、白化していました。
殻が壊れたものはおそらく野鳥や野生動物に捕食された食痕(食べ残し)でしょう。
それは自然の営みということで問題ないのですが、素人目には無傷なのに死んでいる個体は水質汚染のせいではないかという気がしてなりません。
最近、この湿地帯に鉄サビのような赤い泥水が大量に流入してヨシ原を枯らしているいる上に、水面に石油(?)が油膜となって浮いていることがあるからです。
しかし何年か継続して定点観察したりザリガニを飼育観察してみないと、何が正常で何が異常なのか私には判断できません。
そもそも私はアメリカザリガニの「野生での暮らしぶり」について勉強不足です。
本来アメリカザリガニは水質汚染に強く、非常に汚れた水でも棲めるはずです。
そのアメリカザリガニがここで次々に変死しているとなると、深刻な水質汚染なのではないかと心配です。
【追記】
湿原の水面に浮かぶ油膜状のものは必ずしも油膜とは限らないのだそうです。
参考サイト:
茶褐色の土壌が謎を解く鍵となります。この色は、湿原の水に溶けている鉄イオンが酸化され酸化第二鉄が析出したときに見られます。この酸化の多くは空気中の酸素によりますが、それだけでなく、鉄バクテリアとよばれる細菌によっても行われることがあります。特に水の流れのない所でこのバクテリアが増殖すると、水面に光沢のある酸化鉄の皮膜ができ、それはまるで油膜のようです。湿原でこのような「油膜」を見つけても放置しておいて問題ありません。(「長野周辺の山歩きと山野草」サイトより引用)
・油膜と鉄バクテリアの判別方法(PDFファイル)
次回見つけたら、改めて確認してみるつもりです。
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