2020年10月上旬・午前11:50頃・晴れ
林道の入山口に沢の水が流れ出して濡れていました。
その濡れた砂利道でヤマトスジグロシロチョウ♂(Pieris nesis)が秋の日差しを浴びながら吸水していました。
翅を半開きのまま口吻を伸ばして地面を頻りに舐めています。
土壌に含まれるナトリウムなどのミネラル成分を摂取しているのでしょう。
秋風が強く吹いて翅が煽られても必死に踏ん張り、吸水を止めません。
ときどき自発的に飛び立つものの、少し飛んで水場の吸水ポイントを変更するだけでした。
地面に適度な湿り気があれば良いらしく、水たまりの深みには近づかないようにしているようです。
何度か離着陸を繰り返した後で、後半は濡れ落ち葉(大きいのでホオノキ?)の上に乗って舐め始めました。 (@2:36)
かなり長時間吸水していたのですが、映像を見直してもヤマトスジグロシロチョウ♂が腹端から排尿するシーンは撮れていませんでした。
白飛びして見逃したのかもしれませんが、口吻に注目して横から撮ると腹端は翅に隠れて見えないことが多いです。
平凡社『日本動物大百科9昆虫II』によると、
(シロチョウ類が)なぜ吸水するのかという疑問に関して、いくつかの説があるが、♂の性成熟を促進するためにミネラルを採り入れることが必要なのだ、という説が有力である。(p37より引用)
『フィールドガイド日本のチョウ』によれば、
(ヤマトスジグロシロチョウの)♂は吸水性が強く、林道沿いなどで吸水集団がよく見られる。(p91より引用)
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