ページ

2020/10/11

雨の山腹でクズやオニグルミの蔓・葉を採食するニホンカモシカ

 

2020年7月下旬・午後13:30頃・小雨 

里山の麓近くの急斜面でニホンカモシカCapricornis crispus)を発見。 
草刈後に再び下草が生えてきた山の斜面で草を喰んでいます。 
後ろ姿の股間を見てもカモシカは外性器が全く見えないので、性別が不明です。 
黒い角が未だ細いので若い個体なのでしょうか? 

 採食メニューは主にクズの蔓の先端部や若葉でした。 
育ち切ったクズがすぐそばに生えているのに食べないのは、固くて繊維質で不味いからと思われます。 
白い花(ヒメジョオン?)も食べませんでした。 

ふと麓を見下ろしたカモシカが私の姿を見つけたのか、急に動きを止めました。 
私も撮影中はじっとしているので、視力があまり良くないカモシカはすぐに採食を再開。  
途中からカメラを三脚に固定しました。 
雨がやや激しくなってきたので、帽子をカメラにかざして濡れないよう雨を凌ぎました。 

やがてカモシカは斜面を少し登り、右にトラバースし始めました。 
茂み(?灌木)の陰で雨宿りしながら、振り返ったカモシカが私の方を見下ろしています。 
じっと佇むカモシカの脇腹が呼吸で動いています。 
何か気になる物音を聞いたのか、左耳が横に大きく動きました。 
ペロペロと舌舐めずり。 

首を伸ばし頭を持ち上げて、頭上の茂みの匂いを嗅ぐと、オニグルミと思しき幼木の若葉を食べました。 (@5:10、6:55)
木の葉を噛みちぎる際に下顎の白い歯が見えました。 
横にはミズナラ幼木も見えますが、カモシカが口にしたのはオニグルミ?の葉です。 
つづいてクズの若葉も採食。 
最後は下生えを採食しながら木陰の死角に移動してしまいました。 



【追記】
伊東祐朔『カモシカ騒動記―天然記念物は害獣か』によると、
 ニホンカモシカは、ウシ科の動物の特徴として、上顎の門歯と犬歯が欠落しています。上の前歯がないのです。だからヒノキのやわらかい新芽、すなわち頂芽の部分しか食えないのです。(p36より引用)

0 件のコメント:

コメントを投稿