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2020/01/07

ゴマダラカミキリがアリに咬まれてノブドウから追い払われる訳とは?【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午前9:50頃

川辺りのコンクリート護岸を覆うように蔓延るノブドウの群落でゴマダラカミキリAnoplophora malasiaca)が歩き回っていました。
触角がそんなに長くないので♀ですかね?
飛び立つ瞬間を記録するつもりで動画を撮り始めると、面白い事件が起こりました。

クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が現れ、ゴマダラカミキリにしつこく噛み付いたり追い回し始めました。
近くにアブラムシのコロニーでも飼っているのでしょうか?
しかしアブラムシは見つかりません。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:05〜)
クロヤマアリ♀がノブドウの花蜜を舐めています。
アリの接近に気づくとゴマダラカミキリは落ち着かなく向きを変えました。
明らかにアリの存在を嫌がっています。
ゴマダラカミキリがノブドウの花に移ろうとしたら、クロヤマアリ♀が左後脚の跗節を噛み付いたり、正面から噛みついたりして、ノブドウから追い払いました。

圧倒的な体格差をものともせず、クロヤマアリは巧妙にヒットアンドアウェイの攻撃を繰り返してゴマダラカミキリを撃退しました。
結局ゴマダラカミキリは飛び立たず、クズなどが生い茂る草むらの茂みに逃げ込みました。
アリが蜜源の植物を守る防衛行動なのかな?
ノブドウに花外蜜腺があるという話は聞いたことなかったのですが、ネット検索してみると面白いことが分かりました。

【参考サイト】

・続・樹の散歩道「ノブドウの果実の多様な色は虫えい故なのか?  そもそも正常な果実とはどんな色なのか?」
・同サイト「ヤブガラシの謎の球体の正体




ノブドウに限らずブドウ科植物の若い葉の表裏や茎には、真珠体(真珠腺)と呼ばれる白い小さな粒状の構造があるのだそうです。

この正体は Pearl bodies (真珠体)あるいは Pearl glands (真珠腺)とも呼ばれている植物体由来の栄養体なのだという。
何と、植物が自分を守るために虫に与えている餌となっているとの見解もある。そうであれば、花外蜜腺で推定されている機能と同様ということになる。
ブドウのツルや葉裏についたものでは Grape pearls (ブドウ真珠)あるいは Sap balls(樹液球)と呼んでいて、Guttation(溢液現象)であるとしている。
国内のぶどう栽培家の間でもブドウの真珠腺 として、全く害のないものとして知られている。 (同サイトより引用)
ちなみにノブドウはゴマダラカミキリの食樹ではないので、たまたま通りかかっただけでアリに咬まれたのは、不幸なとばっちりですね。
未だ自分の目で真珠体を確認できていないのですが、これからはノブドウとアリの共生関係について、注目してみたいと思います。
アリがノブドウの真珠体を舐めるシーンも接写してみたいところです。



ゴマダラカミキリ@ノブドウ葉

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