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2019/07/14

夏の昼塒に取り残されたコウモリ【暗視映像】



2018年11月下旬・午後14:38


▼前回の記事
トンネルを塒とする野生コウモリの写真集

前回9月上旬に昼塒へ入洞してから79日ぶりの定点観察です。
毎年のことですが、コウモリの集団は繁殖期をこのトンネル内で過ごすと、冬を前にしてどこかへ居なくなってしまいます。
(つまり、ここは冬眠塒ではありません)
真っ暗な暗渠内は静まり返っていて、コウモリの鳴き声は聞こえなくなっていました。
動画でシャラシャラとかすかに聞こえるのは、持参したビニール袋の擦れる音で、コウモリの鳴き声とは関係ありません。

奥にしばらく進むと、コンクリート壁面に1頭のコウモリ(種名不詳)が下向きでへばりついているだけでした。
赤外線の暗視カメラによる映像をご覧下さい。
他の群れは冬眠越冬用の集団塒に移動してしまったのでしょう。(暖地へ渡り?)
この個体はぐっすり眠っているように見えますが、生死を確認すべきでした。

▼関連記事(1年前には壁面にへばりついたまま死んでいる個体を発見)
トンネル内でぶら下がったまま死んだコウモリ【暗視映像】
しかし、もし冬眠中ならコウモリに無用な負担(ストレス)をかけるべきではないので、体に触ることはしませんでした。
こんなときには、非侵襲的に(非接触式)体温を測定できるサーモグラフィカメラが欲しいところです。

洞内を探検しながら気温を3箇所で測定してみると、
気温15.2℃、湿度41%
気温13.2℃、湿度46%
気温11.8℃、湿度52%
でした。(比較のため入洞前に外気温も測るべきでしたね…)

コウモリsp背面@暗渠:壁+越冬?
コウモリsp側面@暗渠:壁+越冬?

余談ですが、同じトンネルで夏の間にコウモリの群塊がぶら下がっていた集団塒の跡がコンクリートの天井に脂染みのように残っていました。
写真に撮って拡大すると、黒くて丸い小さなボタンのような物体が天井に点々と多数付着しています。
これはコウモリに体外寄生するクモバエ類の蛹です。


▼関連記事(1年前の撮影)
ユビナガコウモリの体表に寄生するケブカクモバエ?

今回はこの蛹を採集し、持ち帰って飼育してみるつもりでした。
野生コウモリへの影響を最小限に抑えるために照明は赤色灯しか持ってこなかったため、不慣れな私は赤色光の下では手元がよく見えずに失敗しました。
白色光と赤色光を切り替えられるヘッドランプを持参するべきでした。



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