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2019/06/01

屋根で雪を食べながら遊ぶハシボソガラス【冬の野鳥】



2019年1月下旬・午後16:00頃

住宅地の屋根で雪遊びに熱中するハシボソガラスCorvus corone)のスクープ映像が撮れました!

傾斜の付いた屋根に積もった新雪に1羽のカラスが頭部を突っ込み、歩き回りながら雪を食べています。
嘴で雪を掻き分けるような動きをしています。
頭を雪に突っ込んだまま傾斜に沿って少し屋根を下っても、毎回必ず屋根の最上部に登り返します。

カラスは冷たい雪を大量に食べてもこめかみがキーンと痛くなる、いわゆるアイスクリーム頭痛に悩まされないのですかね?

次は頭を雪に突っ込んだ姿勢でゴロンと横向きに一回転しました。
バランスを崩したのか、ふざけて意図的に側転したのか不明です。
「雪浴び」の行動ではなさそうです。
独り遊びを満喫したカラスは最後に飛び去りました。



海外のカラスの行動として以前YouTubeで見たような、屋根をスキーのように足で滑り降りるクールな遊びはしませんでした。
賢いカラスに芸を仕込んで屋根の雪下ろしを手伝ってもらえるように出来たらとても助かるのに…と雪国の人なら誰しも思うことでしょう。



【追記】
中村眞樹子(NPO法人札幌カラス研究会)『なんでそうなの 札幌のカラス』によれば、カラスの雪遊びにも色々あるそうです。
その年生まれの幼鳥は初めての雪ですから、降ってくる雪を食べようとして嘴を半開きにしています。雪の中で嘴を開いたまま突き進み掃除機のように雪を口に吸い込んで雪遊びをしている姿も見かけます。ボソの幼鳥に多いのは、雪玉をくわえて飛び上がっては落とすこと。これってまるで、クルミ落としと同じですね。 (p56より引用)

雪浴びはブトもボソも両方行います。見ていると、何となく「これって遊び? 楽しんでる?」と感じることがあります。ブトだと雪浴びをしながら嘴を開き、まるでラッセル車のように突き進み、口の中を雪いっぱいにして食べたり、そのまま吐き出したりしています。ボソも同じようにラッセルをするのですが、小さな雪玉ができると、それをとても大事そうにくわえて飛び上がり、まるでクルミ落としのように落としています。(中略)傑作なのは雪の上をゴロンゴロン転がるところです。これはボソ特有の行動だと思われます。なんと、お腹を上にして転がるのです。 (p110より引用)
世の中にカラスの本は数あれど、雪国の個体群の行動を詳細に記録した本は少ないので、とても参考になります。
ただし読んでいて、私のフィールド(山形県)で見ているカラスは札幌のカラスとは少し行動が違うぞ?と思うこともいくつかあるので、行動や習性に地域差がありそうです。
私が未だ見たことのない雪遊び行動も多いので、今後も冬のカラス・ウォッチングが楽しみです。



ハシボソガラス(野鳥)@屋根+新雪摂食+遊び
ハシボソガラス(野鳥)@屋根+新雪摂食+遊び

2 件のコメント:

  1. 社会的に認められないので、石狩の地でこっそりとカラスにご飯を与えていますが、虫も木の実もない極寒の地で普段は何を摂食してるのか?謎であります。カラスに限らず生き物が好きで、いつも観察してますがわかりません!

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    1. コメント通知に気づかず、返信が遅れて申し訳ありません。
      厳冬期のカラスは動物の死骸(ロードキルや凍死体など)を主に食べ漁っているのではないかと思います。
      北海道のカラスについては分かりませんが、私のフィールド@山形県では里に植えられた柿の樹上に熟果がいつまでも残っているので、それを食べてしのいでいるようです。
      ご存知かもしれませんが、バーンド・ハインリッチ著『ワタリガラスの謎』という本をお勧めします。
      日本のカラスとは別種ですが、筆者はロードキルを拾い集めては厳冬期の森でカラスに給餌する壮絶な実験を繰り返し、非常にエキサイティングな仮説にたどり着いています。

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