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2018/09/18

交尾中に連結飛翔で逃げるモンキチョウ♀♂



2018年7月上旬

川沿いの農道を私が歩いていたら交尾中のモンキチョウColias erate poliographus)の♀♂ペアが驚いて少し飛び、道端のクズの葉裏に翅を閉じて止まりました。
(映像はここから。)
翅が黄色の個体が♂で、白色の個体が♀です。
交尾器の連結部は閉じた翅に隠れて見えません。

撮りながら茂みに近づくと、危険を察知した♀♂ペアが連結したまま飛び立ち、柳の灌木を越えて飛び去りました。
連結飛翔中に♀♂はどのように意思疎通をしているのでしょうか?
トンボの尾繋がりとは異なり蝶は互いに逆向きに連結していますから、飛ぶ方向を決めないと交尾器の連結が外れてしまうでしょう。
飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:32〜)、連結飛翔の後半は♀(翅が白色)が羽ばたきを止めて翅を閉じました。
その結果、♂が主導権を握り安全な場所まで♀をぐいぐい引っ張って飛んで行きます。

古い図鑑ですが、保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』を紐解くと、

 蝶の交尾は草上、草間ときに樹上などで行なわれ、一般にこのときは活動しない。しかし刺激が加わったり、驚いたりすると交尾したまま飛び立つことがある。このときすぐ飛ぶのをやめてしまうが、交尾したまま飛翔する場合は、♂、♀のどちらか一方が飛び、他方はぶら下がっている。♂も♀も翅を使って同時に飛ぶことはない。
このように交尾しながら飛ぶときに♂が飛ぶか、♀が飛ぶかは種によって一定していて、属や科についても通則がある。(中略)ここで←♀+♂の記号は、♀が飛翔し、♂は交尾したまま♀に連行され飛翔しないことを示す。 (p88より引用)


スローモーション映像を手軽に撮れない時代の鋭い観察眼に脱帽します。
今回の観察で、モンキチョウの連結飛翔は「←♂+♀」のタイプだと分かりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


モンキチョウ♀♂@クズ葉+交尾

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