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2018/05/13

田んぼの稲穂を食害するスズメの群れ(野鳥)



2017年10月上旬

稲作農家にとってスズメPasser montanus)は収穫前に米を食い荒らす害鳥であり、田舎の田んぼ周辺にはスズメ追いの爆音機とか、風が吹くとキラキラ光るテープとか、案山子などが設置されていたりします。
スズメがイネの実(米)を実際に採食しているシーンをしっかり撮りたいと私は常々思っていました。
スズメはとにかく警戒心が強くて、肝心の食害シーンを動画で記録するのにひどく難儀します。

田んぼに実った稲穂にスズメの群れが集まっていました。
スズメの動向を見ていると、田んぼの中央部には行かず周縁部に留まっています。
どうやら、田んぼのすぐ近くにある木の茂みにいつでも避難できるように用心しているようです。
横の道に車が通りかかると警戒心の強いスズメは田んぼから一斉に飛び立ち、一時避難します。
しばらくすると再び樹上から田んぼに次々と飛び降りて来ます。
稲穂すれすれの上空でホバリングし、着陸すると稲穂に隠れて見えにくくなりました。

より良い撮影アングルを求めて私が少し移動しただけで、今度は私を警戒して田んぼに近寄らなくなってしまいました。
田んぼの端に無人カメラを設置すれば、もっと上手く撮れるかな?

大田真也『スズメ百態面白帳』という本を読むと、まさに私が今回観察した通りのことが書いてありました。

スズメがイネを食い荒らすのは、決まって田の周縁部で、広い田の中央部などということはけっしてない。しかも、すぐ近くにいざというときの隠れ場となる生け垣や木立、竹やぶなどの茂みがあるという条件がそろっている場所である。 (p13より引用)



川内博『大都会を生きる野鳥たち』によると、
 スズメは少なくとも稲作がはじまった数千年前から人間の近くにすみ、寄生ともいえる生活をしている鳥である。農作物やそれにつく虫などとともに、人のおこぼれを重要な食料源とし、巣のほとんどを人家や人工建造物に依存している。」(p93より引用)

「スズメはヒトに寄生」とは身も蓋もない表現ですが、言われてみれば確かにそうだなぁと納得します。

実るほど頭を垂れる稲穂かな

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